内容説明
成績優秀ではあるものの、あまり目立たなかった大林くんが、ある時から学校に来なくなった。クラスの男子数名と、非常階段を使って立ち入り禁止の屋上に勝手に入ったため、担任の先生にひどく叱られた。さらに反省文を書かされることになったが、大林くんだけ書けなかった、といううわさもあった。そこで、大林くんに、クラス全員で手紙を書くことになった。その際、適当に「作文」してしまったことを後悔した主人公の文香は、悩んだ末に、まずは「いつかちゃんとした手紙を書きます」というだけの、ウソのない手紙を出すことに。その後、文香は休み時間になると、大林くんの椅子に座るようになった。「たぶん、大林くんがこの椅子に座って見ていたのと同じ景色を、わたしも見ている。」果たして大林くんの心が動く日はくるのだろうか。本当のやさしさや友情とは何かについて、ヒントを与える一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みーなんきー
17
あまりこういったヤング向けの本を読んだことがなかったので、学校生活の細々とした描写を描く手法に最初は戸惑った。数分で過ぎてしまうことを、文章にして読ませる。なかなか進まない時間。けれど、その結果最後の心の動きに、密かな喜びに共感できるのかな、と思いました。2020/01/13
いとしん
14
コロナで隔離されてる子供部屋にあった一冊。難解な謎解きでも、面白い展開でも、特定の知識でもない本を、久しぶりに読んだ気がする。国語の教科書的というか、昔はこう言う本たくさん読んでた懐かしさ。そしてこういう微妙な心の動きを書いた本を読むのが、苦手だった。それが男だ、と言いたいけど、たまに大林くんみたいなやつがいて、モテる。2022/07/21
izw
12
不登校の大林くんに手紙を書こうとして、なかなか言葉が出てこない文香を見ていると、本心を表すことのむつかしさ、一言の重み、何気ない言葉の大切さが分かります。でもこの感覚は日頃気軽にスマホ・携帯でやり取りしている子どもたちには伝わるのだろうか、と思ってしまいます。2017/07/22
杏子
11
ずっと休んでいるクラスメイトに突然、手紙を書くことになって…。 でも、どうしても書けない文香の気持ちがよくわかる。 何を書いてもウソの作文になってしまう。 文香はいつもうそっこを書いた感想文とかが得意で、手紙もそんな気持ちのまったく入ってないものになってしまい… どうしたら大林くんへ手紙が書けるのか悩む、彼女の気持ち。 すごくわかる感じ。これはおすすめ、小学校高学年から。2017/08/17
may
7
道徳教育が押し進めそうな弊害にまっこうから取り組んで、しかも説教臭くなく、書き上げている良作。現場の先生方に是非読んでもらいたい。2017/03/26
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