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内容説明
タロットカードは、なぜ謎めいた存在になったのか。最新の研究成果を盛り込み、タロットカードが占いのために使われるようになった歴史や背景を解明する。また、絵の図像の文化的背景から、「鏡リュウジ流」解釈までを丁寧に解説し、具体的な占い方までを紹介。これ一冊で、タロットのすべてがわかる。タロットはもちろんのこと、西洋魔術やオカルト、ユング心理学に興味を持つすべての人、必携の本格的入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
43
2017年刊。タロットカードの歴史、意味、占い方を解説。タロットは15世紀に生まれ、絵札22枚と数札56枚から成る。魔術や神秘思想との関連が長く語られてきた。本書はこの辺りを現代感覚で説明している。モノクロ画像多数。タロットの魅力は何と言ってもアートで謎めいた図像にある(愚者、女教皇、戦車など)。ポピュラーなウェイト版を眺めているだけで楽しい。様々なキャラクター、テーマ、アーティストのカードもある。私がタロット占いを齧ったのは大昔なので、細かい意味は忘れてしまった。占う時は高揚するけどちょっと覚悟も必要。2022/09/06
みうか
39
タロットの歴史を遡りつつ、合理性・非合理性の2つの側面から占術にアプローチしていくスタイル。図像学としての学術的な意味合いで読むも良し、オカルトチックに興味本位で読むも良し。どちらにしてもタロットの奥深い世界に近づける1冊。大アルカナ小アルカナに隠された意味も基本的に分かるし、タロットの最初の取っ掛かりとして読みやすかったと思う。2019/06/14
ミエル
28
占いはほぼ信じない私が、ただタロットカードの成り立ちが知りたくて読み始めた結果、大満足の読後。そもそもカードゲームの一種として誕生したはずなのに、時にはユダヤ教や旧約聖書と合体したり、トレンドによって東洋エッセンスが盛り込まれたり、いつの間にかオカルトアイテムになっていたり、と時代の変遷に合わせ形を変えてきた歴史が面白い。それだけ、未来の指針がわかると言うのは人を魅了するのだろう。現在では、LGBTやアート、サブカルチャーとも親和性もある。こんなにも文化として生活に根付いたオカルトアイテムは無二なのでは?2022/01/05
デビっちん
28
タロットと言うと占いの一種というイメージを持っていましたが、その源流を辿るとルネサンス期の貴族たちの遊戯カードとして発達したことがわかりました。占いのような神秘的な一面を持ったのは、18世紀も後半のごく最近のことだったようです。そんなタロットが持つ役割の歴史的変遷が淡々と叙述される中にも、神秘的なロマンの一面が織り交ざって描かれていました。終盤部分には簡単な占い方も解説されていて、広くタロットの世界観を知ることができました。タロットって、厳密なルールはなく、自由に解釈して良いというのが面白いですね。2017/05/09
ぺったらぺたら子
24
歴史や背景を中心にして解説される本。単なる教本では理解できないことを知れた。特にユングを通した視点が得られたのが良かった。様々な角度からタロットの本質を浮かび上がらせるので、非常に豊かな読み心地だった。 これを最初に読めたのはラッキー。かんたんな教本としても使えるが、どちらかと言えば本として楽しめる内容。2022/12/21