内容説明
夏の甲子園地方大会、決勝戦9回の攻防。あと、一人打ち取れば延長にもつれ込む……と、その瞬間、サヨナラホームラン。敗者となった海藤高校の投手直登は、試合後も悔しさから立ち直れないでいた。そこに、思わぬ報せが届く。優勝した東祥学園が、出場を辞退したというのだ。繰り上がり甲子園出場が決まるが、それはどちらのチームにとっても重い結果だった。「敗者のままでは、終われないんだ!」少年たちの熱い思いに、思わず胸が高鳴る、著者真骨頂の青春野球小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
111
地区予選決勝戦でサヨナラ負けを喫したチームが突然繰り上げで甲子園へ進む。ただでさえ注目される甲子園。一度敗戦したチームには違ったプレッシャーが。それぞれの立場から憧れの舞台に対する想いが綴られる。それぞれの甲子園。【カドフェス 2019】2019/08/31
優希
53
夏の甲子園の物語に敗者を重ねています。試合があれば勝者の数だけ敗者がいるのは当たり前というもの。讃えられるのは勝者かもしれませんが、敗者も美しいと思います。熱い少年たちに魅せられました。2021/03/29
さおり
53
Kindle Unlimitedで。野球のお話をたくさん書いておられるあさのさん。私は今まで野球以外のお話しか読んだことなかったんだけど。もともとプロ野球よりも高校野球の方が好きだった私は、なぜだか未だに高校球児を年上と思ってしまいます。なので、高校球児、監督、球児の母親、と様々な視点から描かれるこのお話を読んでも、いちばん感情移入するのは球児たち。母親と同世代やのに、、、。それにしても、良いお話だったなぁ。まだこういうお話に感動できるとわかって、ありがたいなぁと思います。2020/04/28
背古巣
44
あさのあつこさん「敗者たちの季節」読みました。読んでいてなぜか堂場瞬一氏の「20」(だと思う)を思い出しました。全国高校野球大会。負けない学校はただ一校のみ。ほかの学校はすべて負けを経験する。考えようによっては残酷な大会ですね。変なことを思いながら読みました。そんな中、直登たちの海藤高校は一つの大会で二度の負けを経験する。なんて酷い…。面白かったです2023/07/08
はるき
38
夏が近づくと、あさのあつこさんの野球小説が読みたくなる。まだ春ですが、熱くて冷たくて、厳しくも円やかな少年達の眩しい日々に心奪われます。2017/05/02