内容説明
気鋭の俳人が、数ある名句の中から読むべき句をセレクト。俳句の読み方を知る入門書。十七音の組み立て、季語の取り入れ方、情景の写し方。読めば句作が楽しくなる。巻末に又吉直樹との語り下ろし対談収録。
※本書は二〇一二年四月『十七音の海 俳句という詩にめぐり逢う』として株式会社カンゼンより刊行された書籍に加筆し文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ami*15
49
げみさんの表紙じゃなかったらたぶん出会わなかったと思う本。俳句については国語の授業で少しふれたことがあっただけで、自分からは近づかない世界だと思っていた。だけどこの本は俳句に関しての知識がゼロでも昔から現代まで様々な俳人たちの俳句を丁寧にわかりやすく説明しているため、俳句の面白さをもっと味わってみたいと思えた内容でした。季語の種類の奥深さ、表現技法に関してはまだ理解不足なところもあったけど、そのまま読むだけでは内容が「?」だった俳句も説明を読むとひとつの映像や絵画のように見えたり、作られた当時のことが→2018/07/24
瀧ながれ
27
俳句や短歌は、読む人が自由に受けとればいいもの、と考えていたのですが、詠んだときの状況を知ることで、句や歌に一本の筋が通り、はっきりとした風景が見えることがあるのだと、新鮮な体験をしました。今後、挨拶句や辞世の句などは、もっと繊細に読むようにしたいです。いちばんはじめが≪渡り鳥みるみるわれの小さくなり≫の句(上田五千石)で、逆バンジーみたいに胃袋がヒュン!て感じがして、ちょっと愉快でした。巻末の又吉直樹氏との対談は、関西ことばそのままさがリアルな気持ちとつながっていて、分量は少ないけどおもしろかったです。2017/05/12
あむぴの
24
●●カドフェス2018発見!角川文庫●●50冊目。俳句とその解説。前半は、見開き2ページに1首と解説。後半は、1ページに1首と解説。たくさんの俳句の中、時々、ドキッとするほど自分の胸に響く俳句がある。17音の文字数の中、作者が持つ鋭い表現、発想が刺さる。川上弘美さんの俳句が、ステキだった。2017年4月。2018/11/15
雷華
20
俳句初心者でも俳句の世界に入りやすいようにわかりやすい解説付で古今東西の句を紹介する入門書。説明も丁寧でわかりやすく、句の作られた時代背景や作った人の人となり、俳句の技巧や季語の解説もあってありがたい反面、そういうことを知らないと本当の意味では楽しめないのでは?と思えてしまう。最後の又吉さんとの対談でもネットで検索しながらということも言ってたので…自分の中ではまだまだ壁はありますが、某番組でつけられた怖い印象はだいぶ消えた気がします。読む分ならですが…でも、絶対に変な方向に妄想するな…自分。2018/07/22
ちぇけら
16
俳句の十七音はモノクロのなかのカラー。平面のなかの空間。有限のなかの無限、どこまでもどこまでも。そういう俳句の楽しみかたも、歳時記という最強の武器も、教えてくれたのは堀本さんだ。すごいなあ。あたりまえの景色が違って見える。五七五のリズムはそれだけで日常のスパイスになる、彩りになる。ことばが輝いてるんだ。すごいよ日本語。2018/12/11