内容説明
日曜日の深夜0時近く。人もまばらな六本木で私を呼び止めた女がいた――知り合ったときには、彼女はまだ名門女子大の学生だった。彼女が結婚を考え始めた2年前、物書きとして何とか生活できるくらいにはなっていたが、見栄が邪魔をして踏み込めず、彼女は他の男と結婚した。そして行きつけの店で酒を飲むうちに、どこかに置いてきた時間が苦く解きほぐされていく……(「日曜の晩に」)。
六本木の夜から生まれる全6話の出会いや別れ。大人の恋愛小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaz
9
ハードボイルドな恋愛小説。石田衣良と対極にありそうですごく似通った作品集。二人がまさか共通していたとは!新発見です。2013/08/30
水素
7
6つの短編小説が収録されています。大沢さんはハードボイルドなイメージがすごく強いですがこの本はそこまでじゃなかった(やはり登場する男の人は渋いですが)一番スカッとしたのは「マッスル・パーティ」ですね~。終わり方も見えているのですがスッキリした終わりです。なんとも言えない、考えてしまうような話は「六本木・うどん」でした。男の子の気持ち、すごくわかりました。どうして真の悪は裁かれないのだろう、と思った。2014/02/07
nonpono
6
思わずかっこいいと、つぶやきたくなる短編集。作者が縁がある六本木を舞台に、男と女が踊る。酒の描写もかっこいい。「BLACK VELVET」という「口当たりはやわらかく、それでいて強烈に酔わす」は、飲んでみたい。そして、読んでいると、薄暗いバーのカウンターが恋しくなる。夜に晩酌のアテに合う一冊。2023/04/14
ミコ
6
大沢在昌さんを最初から読んでみようと思った。しかしタイトルから薄々気付いてはいたが、あまりに昭和すぎた。当時は洒落てたんだと思う。2022/02/22
とりじまカラス
6
大人だから持つ弱さとその美しさ、格好良さを描いた短編でした。バブルの頃からチャラチャラした男がいたという事実に、ゆとり世代としては僅かながら衝撃を受けました。2013/08/09