内容説明
願ったことが叶えられなかった時の落胆や失望には計り知れないものがあります。でも、そういう切なさ、つらさこそが、実は人間が成長してゆく上で「本当にたいせつなもの」「必要なもの」だったのだと、いつか必ず気づく日があるものです―――本書は200万部を超えるベストセラ―『置かれた場所で咲きなさい』の著者で、昨年末に89歳で帰天したノートルダム清心学園理事長・渡辺和子さんの図らずも遺作となった書。2.26事件での父の死、母の反対を押し切って入った修道生活や若くして就いた学長職、つらい鬱病や難病の経験など、厳しい現実の中で学んだことをまとめた既刊著書の中から、いま改めて伝えたいことを厳選。親交のあったマザー・テレサや恩師、そして苦手だった母との思い出も交え、読みやすくまとめたものです。〈神が置いてくださったところで咲きなさい〉で始まる詩も収録しました。心疲れて道に迷うとき、生きるヒントを示してくれる本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
105
人生はただ一度きりのもの。その道をどう歩むかはひとそれぞれだと思います。ただ、時間をどう使うかはどのような命の絵を描くか、あるいはどのような命の小説を紡ぐかということに等しいこと。世の中で色々名誉とされる事柄があります。いい例で言えば学歴でしょう。でも本当に大切なのは苦しみを乗り越えていく力なんですね。渡辺和子シスターに沢山励まされた感じがしています。この本がシスターの遺作なので、もうシスターの言葉に触れることができないのが寂しい。でもシスターの本はきっと何度も読むでしょう。2017/06/05
はるき
43
素直な気持ちで読みました。 きれいな言葉で綴られる清廉な世界観に心洗われます。2017/05/30
陽子
39
人間にとって大切な心の有り方の根源が、シンプルにダイレクトに伝わってくる言葉の数々に胸を打たれた。「愛をこめた時間は無駄にはならない」「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから」「学歴や職歴よりもたいせつなのは、「苦歴」で、それはその人だけのものであり、その人を語るもっとも雄弁なもの。」と言う話は新鮮だった。著者が修道女であることから、時に宗教的ではあるけれども、「祈った事が必ずしも叶わなかったとしても、その人にとって一番有益な結果が与えられるものだ」という考え方はわかるような気持ちがした。2021/04/12
melon
32
笑顔は伝播する。 人は欲しいものを祈り願い、神様は必要なものをくださる。 どんなに綺麗な家に住みきれいなものを持っていても愛がなければ貧しい。マザーテレサ。 きれいさにはお金がかかるけど美しさにはかからない。2019/03/10
かおりんご
32
この本が渡辺和子シスターの遺作になったのは寂しいが、今回もたくさんのメッセージがつまっていた。さくっと読めるのに、心に響く言葉は重い。一つ一つのことを心を込めて丁寧に行っていこうと思う。2017/10/15