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内容説明
富を求めるのは、道を聞くため――それが、経済学者として終生変わらない姿勢だった。「自由」と「利益」を求めて暴走する市場原理主義の歴史的背景をひもとき、人間社会の営みに不可欠な医療や教育から、都市と農村、自然環境にいたるまで、「社会的共通資本」をめぐって縦横に語る。人間と経済のあるべき関係を追求し続けた経済思想の巨人が、自らの軌跡とともに語った、未来へのラスト・メッセージ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
宇沢先生の講演などでほとんど発表されていないものを集めたようです。短いものですが宇沢先生の経済学に対する考え方の基本が示されています。とくにこの中でも印象に残ったのは、フリードマンについて書かれている部分で、フリードマンのような学者がアメリカでもかなり読まれているということはアメリカの大統領がトランプになってもおかしくないということを感じました。マッカーシー旋風のときでも、マッカーシーが言うには私のほうがフリードマンよりもはるかに穏健だということを言っているからです。2017/05/11
NICKNAME
46
久しぶりに夢中になれる本であった。著者の事はつい最近まで知らなかったが、ノーベル賞候補ともいわれた日本を代表する世界的経済学者との事。この本は経済学の専門的な事ではなく、経済学を通して著者は何をしようとしていたのかという事が書かれている。この著者は根本となる人となりがかなり素晴らしいです。現在幅を利かせている小泉からアベノミクス経済学者達にまずはこういった人格者はいないものでしょう。既に亡くなってしまったとは日本にとり大きな損失だと思います。この人の著書は読み続けたいです。2019/04/08
デビっちん
31
富を求めるのは、道を聞くため。その基本姿勢を貫きながら合理的な経済学に精通する一方で、非合理な人間の心をも重視した経済思想の巨人が、自身の生涯を振り返りながら人間と経済の関係について語っています。自由や利益ばかりを求める近代経済学の効率性に警笛を鳴らし、医療や自然などの社会的共通資本に対しては、市場メカニズムではなく、もっと人間的な立場からその営みを守るために協力すべきことを説いていました。その発想の源泉は、数学が対象とする数、空間、時間という自然の要素に畏敬の念を持っていたからなのかなと感じました。2017/09/26
skunk_c
26
病に倒れる前の講演やインタビューをテーマ別に校正したもの。テーマは医療、教育、大学、環境、農業など多岐にわたるが、貫く思想はそれらを社会的共通資本と捉えているところ。まさに著者の真骨頂と言える。深い教養と謙虚な姿勢が随所ににじみ出ている。同時に鋭い批判精神と先達への思いが込められており、読みやすいが内容は濃い。もちろん疑問点もあるし、事実誤認的な部分もあるが、そんな些細なことはどうでもいいと思わせる一貫した主張が清々しい。新自由主義的な理系重視の大学改革がいかに危ういものかを身をもって示していると思う。2017/05/06
風に吹かれて
21
二酸化炭素排出権取引など水や空気までもお金に変えて利益を得ようとする市場原理主義、人の命をも利益につなげる残虐な支配で植民地を広げていった帝国主義、そういった「経済」を紐解きながら「社会的共通資源」を考える。「医療」、「教育」、「自然環境」、「平和」(ヨハネ・パウロ二世は日本国憲法を社会的資産と言ったという)などが「社会的共通資産」。➡2021/03/08
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