講談社文芸文庫<br> 三木清教養論集

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講談社文芸文庫
三木清教養論集

  • 著者名:三木清【著】/大澤聡【編】
  • 価格 ¥1,562(本体¥1,420)
  • 講談社(2017/04発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062903363

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内容説明

「教養といわれるのは単に専門的乃至職業的知識のことでなく、人間が真に人間らしくなるために必要な知識のことである。」ファシズムが台頭する昭和初期の日本社会で、のびやかに思考し時代と共に息づく教養の重要性を説いた孤高の哲学者、三木清。読書論・教養論・知性論の三部構成で、その思想の真髄に迫る。

目次

I 読書論
II 教養論
III 知性論
初出一覧
解説  大澤 聡
年譜  柿谷浩一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

23
意識か、無意識かと言われれば、教養は意識です。20世紀の表現は、映画にせよ美術にせよ無意識との関連で評価されます。それは、意識されることには限界があり、人間の可能性はその限界の外部にあると考えられているからです。「トラウマ」が陳腐なのも、無意識と呼ばれているものの、意識化に過ぎないからです。さて、本書は教養が二重に意識化されています。ひとつは、三木清による教養についての言説です。もうひとつは、編者大澤聡によるセレクトとその並び変えです。小姑が我々が誤りを犯しそうな地点に先回りして、待ち構えているように「心2018/05/22

さえきかずひこ

7
1930年代後半に書かれたものが多く、全体主義に傾斜する母国への危機感が伺える文章が多い。そしてとにかく繰り返しが多く、啓蒙的で説教臭いのも特徴。編集の意図もそこにはありそうだが。ヘーゲル、マルクス、そして、新カント派の影響も大きい。竹内洋『教養主義の没落』などと併せ、時代的・歴史的背景を補強して読むと楽しいと思う。2017/05/30

袖崎いたる

7
失われた教養を求めて…というような副題を付けてもいいかもしれない。本書で三木が執着する教養は識別リソースのための思考のベースである。そこに例のロゴスとパトスと、そして構想力とが展開されるような、そんな先触れな論考を収められている。彼の「学校を出た連中が本を読むようにならなければ文化は進歩しないね」「高等学校時代に読書の習慣を作らなかったら一生駄目だね」「優れた人が兎に角自分で読んでいい本というのをブック・レビューにしなければいけないと思うんだ」――などという発言には冷や汗が流れる思いがした。2017/03/11

ひでお

0
三木清の名前を最初に知ったのは新潮文庫版の「人生論ノート」だったと思います。本書は知性と教養について論じられた論文集です。この本を読むと、戦前の、戦争に突き進んでいった時代に書かれた文章が、なぜか現在そのもののように思われてきます。自由に意見を表明することができなくなり、戦争に突き進んでいった時代と同じ空気を今は漂わせているようです。知性とは善悪を認識する能力なのだそうです。そうだとすると、現代日本に知性をもった人が一人でも増えることを願うばかりです。2017/08/04

すぐる

0
2017/06/23

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