内容説明
「小ネタ満載、私のマラソン解説より面白い!」(増田明美さん/元マラソン選手・スポーツジャーナリスト)
作家・江上剛が新境地に挑んだランニングエッセイ『55歳からのフルマラソン』(2012年/新潮新書刊)に加筆、文庫化!
2011年、それまで運動らしい運動もしたことのなかった著者が、初めての東京マラソンを4時間8分で完走した。毎朝4時に起床、井の頭公園周辺を10キロ、時に30キロと走る生活を続けてきた成果だった。その前年、日本振興銀行社外取締役から、金融庁の立ち入り検査を妨害したとして、検査忌避で逮捕された木村剛の後始末を引き受ける形で頭取を務めるなか、同事件絡みで盟友が立て続けに自殺するなど、辛い日々もまた走り続けていた。文字どおり「マラソンとは人生」……走り切るまでの精神的かつ肉体的な実体験とコツを描き、社会的に経験を積んだ同世代の人々から、会社に栄誉や評価を求めることとは全く無縁の意義に共感できる、と支持されている一冊。
2016年10月、かつて江上剛氏がフジテレビ「めざまし土曜日」で共演して以来、親交のある、ガン闘病中の小林麻央さんへのエールを込めて挑んだ「えちご・くびき野100キロマラソン」を完走。その思いを「62歳で100キロマラソン」として加筆。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BluePlanet
14
★4.1(4.13)2017年2月発行。元DKB銀行員。2003年銀行退職前後に作家に。その後日本振興銀行の社長という異色の作家が、2010年56歳でフルマラソンに挑戦。3回目の57歳のマラソンでサブフォー達成。その後6年で100キロマラソン完走。なるほど、周りに走る仲間がいるって素晴らしいですね。でも、僕には早朝マラソンは厳しいかな。走るコースは善福寺緑地公園と神田川と井の頭公園。結構僕とダブってますね。ということで先週井の頭公園まで走ってきました。小林真央ちゃんのガン克服応援で100キロ走ったのは凄い2020/03/21
とし
14
経済小説家のマラソン体験談。きっかけは近所に住む知人の何気ない一言からで酒を飲んでいたせいか勢いから始めた感がありますね。読み進めていくと作者のマラソン愛が伝わってきます。多忙の中、朝5時からの練習、作者が実際経験した銀行問題の中も欠かさず続けたのはすごいなと思いました。東京マラソン、ホノルルマラソンと大会をとにかく楽しんでいるのが伝わりました。マラソンを続けることで食べても太らない体質になると書かれていましたが、そうだったらいいなと思いました。100キロを完走したとのことで本当に走るのが好きなんですね。2017/05/03
Sato
11
元銀行マンであり経済小説家 江上剛さんのマラソンエッセイ。たまたま参加したご近所の飲み会がきっかけでマラソンを始めることになった。一度始めたら多忙な中、また一時彼の本名で新聞を賑わせた某銀行の事件や破綻などゴタゴタの最中も彼は毎朝走り続ける。「走ることは禅業」とも言われるが如く、走ることで彼は折れそうな精神状態を支えていたようだ。フルマラソンに飽き足らず、60過ぎてウルトラマラソンに挑戦するあたり、さすがエリートと呼ばれる人は、何事にも努力を怠らない。走ることに出会えて本当に幸せな「マラソン愛」溢れる作品2019/01/22
あんパン
10
江上剛さんの小説の紹介欄で本小説を知り健康診断が近くマラソン(ジョギング程度)に興味があったので早速手に取ってみた。エッセイ的な要素たっぷりだがマラソンのきっかけや目標が同じところが良かった。臨場感があり本当にマラソン完走など出来るのかな?とも思っていたが同世代の私にも出来るのではないか?と勇気づけられた。私もこれから計画的にマラソン(ジョギング)が出来るようになるキッカケにしてみたいと思う。とてもモチベーションがあげられる1冊だった。結末の100キロマラソンには感動的で少々うるっときた。2024/04/28
ぺあの
9
若干先輩のマラソン奮闘記。と言ってもマラソンに関してはストイックや辛さは感じない気軽(本人としては真剣だと思うが)。色々とマラソン以外の話も多いけど、実際にマラソンに関係ない事を考えながら走るよな〜と納得。なんか良いです。2017/05/27