文春e-book<br> ホライズン

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文春e-book
ホライズン

  • 著者名:小島慶子
  • 価格 ¥1,527(本体¥1,389)
  • 文藝春秋(2017/04発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163906348

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内容説明

主人公の真知子は海外企業に職を得た夫の転勤で南半球へ。
幼い娘と共に海外での新生活が始まった。
美しく小さな異国の街に暮らす日本人達のコミュニティには、暗黙のヒエラルキーがあり、夫の職業や現地の家の場所によって厳然たる階級が築かれていた。

その中で真知子は、投資銀行に勤める夫を持つ佐倉郁子、商社マンの妻の津田宏美、現地の日本人シェフと再婚した木村弓子と親しくなる。
しかし、日本人会のバザーで起こった事件をきっかけに、彼女たちの関係は一気にあやういものになっていく。
内気な真知子は翻弄されつつも、壊れかけた友情の糸を結び合わせながら、少しずつ自分の居場所を獲得していく…。

結婚、出産、仕事、お金…。
今、女性が「生きる」ことについて、真摯に、正面から向き合った傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えりこんぐ

74
前回の女子アナ対決も面白かったけど、今回も好きだなぁ。海外に住む日本人妻たちの話。駐在妻のしがらみや女たちの本音がだらだら〜っと続くので、興味ない人にはしんどい読書だろうな。私はこの世界が大好物なので、だらだら楽しませてもらいましたよ( ´∀`) ご自身の経験を元に描かれているのだろうけど、もうネタ切れなんてことないよね? 次回作待ってまーす。2017/12/13

marumo

34
スナック菓子をやめられないように、このテの本もやめられないのよ・・とちょっと自嘲気味。海辺の美しい街で駐在妻たちがマウンティングという設定はいかにも。それが読み進めていくうちに人物たちが多面的な血肉を通わせた人間に感じられ始め、一気に引き込まれた。かなり真面目な「人との関わり」の話しだった。世界一美しい海があって経済的な不安がないならいいじゃん、というのはあるけど。「多くの人に好かれるということは、それだけ多くの嫉妬が留保されているということだ」というのがこの作者らしいものの見方だと思う。2017/07/30

yoshimi

27
『駐妻』経験者としては読み進むにつれ当時のことを思い出し複雑な気持ちに(笑)。ここまでエグくはなかったが、海外での狭い日本人社会の窮屈さは独特なのに違いはない。それにしても小島さんの人物描写はすごい。1人の人間の良いところ悪いところがとても丁寧に掘り下げて描かれていて、耳元で彼ら彼女らの息づかいが聞こえてくるようなリアルさ。ブラックなのに時々プッと吹き出す場面もあって、作品の重さを軽減してくれた。他の作品も読んでみよう。2018/08/31

ga

26
舞台はオーストラリアのマイナー都市、3人の日本人駐在妻+ハッタリ系シェフの連れ子再婚妻の話。駐在妻っていっても航空会社は位が最も低いとか?派閥やヒエラルキーは何処までも付き纏ってくるのね。くだらないけど下衆くて大好き、こういうの。パース在住で日本と往復しながら仕事&子育て中の小島慶子が描くこのテーマ、もう7割がた実話なんだろうな、と。あえて主人公を鈍臭くしているけど、ま、そこも含めて色々あざとさが垣間見えて面白かったわ。エスパドリーユ連呼が何の拘りなのか気になったけど。。それでも駐在生活羨ましいなぁ。。2017/08/31

なっく

25
参った!海外赴任の妻たちの狭い世界での、夫の自慢やらやっかみやら陰口やらの醜い足の引っ張り合いが延々と続く。実際そうなのかも知れないけれど、せっかくの開放的な赴任先で、ここまでの閉鎖社会とは女性は大変だ!みんな男に依存しすぎじゃないかなあ、自分を磨こうよ。と思いつつ著者を見ると、なーんだ、ご本人は美人女子アナ出身で日豪を行き来しつつエッセイスト。うまくおやりじゃないですか。じゃあここで描かれてる世界はなんなの?と思いつつ読了。2017/12/04

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