文春文庫<br> 美味礼讃

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文春文庫
美味礼讃

  • 著者名:海老沢泰久
  • 価格 ¥774(本体¥704)
  • 文藝春秋(2017/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167414047

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内容説明

彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。

昭和35年、辻調理師学校の若き副校長・辻静雄はフランス料理の事典『ラルース・ガストロノミック』に出会い、フランス料理に魅了され、それがどういうものなのかどうしても実際に知りたいと熱望するようになった。
当時日本では材料や技術の問題から本格的なフランス料理を出す店はなく、ついに辻静雄は9週間のフランス旅行に出る。実に100軒のレストランに足を運び、その舌にほんもののフランス料理の味を記憶させ、帰国後はその味、その技術を辻調理師学校の教員、生徒たちに情熱をもって教えてゆく。
その料理への飽くなき探究心と情熱は、日本人のみならず、ミシュランの星をもつ名店の主人やシェフたちをも動かし、日本のフランス料理を格段に飛躍させた。

ポール・ボキューズをもって「シズオはフランス人よりフランス料理のことをよく知っている」と言わしめた、辻調理師専門学校の経営者、世界的な料理研究家であった辻静雄の伝記小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mark

25
実在の人物、辻調理師専門学校の創設者である辻静雄さんをモデルにした長編です。 海老澤さんの作品には、読み手を引き付けて離さない魅力があります。精緻でありつつ無駄のない文体で、非常に手の込んだ料理をも文章で表現できるのはさすがだと思いました。 自分に課した役割と真摯に向き合い、ホンモノを追及する過程で様々な障害にも遭遇しますが、「結局、人間にできることは、自分がやってきたことに満足することだけ」という言葉は、辻さんの肉声のように感じました。2022/10/12

背番号10@せばてん。

23
【1992_直木賞_候補】【1993_このミス33位】1998年5月25日読了。フランス料理家、辻静雄の書。あらすじはもちろん忘却の彼方。1998/05/25

うぃるこうへい

21
以前とある知人がもの凄い熱量で褒め称えていて、「へぇ。そんなに。でもまぁ自分、料理とか興味ないしな」と軽く流していたが、その熱量がどこか気にかかり、ついに手に取った。 結果。めっっっっっっっちゃくちゃ面白かった!!! あの知人の熱量にも納得。 しかし、なぜそこまで面白いのかがなかなか言語化出来ない。真っすぐ生きる男の軽やかな成功譚っていう内容面、テンポが良いという構成面、端正で必要十分な文章表現面等、要素は分かるんだけど、それはあくまでも要素なのよ。 もうレビューは投げる。とにかく読んでみて欲しい。2022/06/14

すしな

19
109-21.基本的に食べられれば何でもいい方なので、「美味しんぼ」とか「料理の鉄人」にはそんなにハマりませんでしたが、この小説は面白かったたですね。実在の辻調理師専門学校の2代目の辻静雄さんが日本に本物のフランス料理を伝える物語です。明治から西洋化してきた日本ですが、フランス料理はなんちゃってだったみたいですね。今でこそミシュランの三ツ星に日本のお店が登場するようになりましたが、それも辻さんの努力の賜物だったのですね。2021/10/07

エリナ松岡

19
どこまでがノンフィクションか分からなくて悩ましい本なんですが、内容は本当に面白くて、随分厚い本にも関わらずいつのまにか読み終えてしまいました。それはモデルとなった実在の辻静雄氏の経歴自体がとにかく面白いからだろうぐらいに思ってたんですが、巻末の解説を読むかぎり、必ずしもそれだけではなくっても著者の力量も相当貢献しているのは分かりました。グルメサイトでおいしいお店探しをするのが好きな人にはぜひ読んでもらいたい本です。2018/12/11

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