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内容説明
同じ黄色人種、漢字や食文化の共通性などから、私たちは日本と中国を「同文同種」と考えがちだが、実は「似て非なる存在」である。中国の多様性を理解しないと、誤解の陥穽に陥りやすい。両国の違いを具体的事例で比較・検証する本書の初版は一九七一年だが、時事的要素を避け歴史や古典を基にすることで見事に本質をとらえ、現在の日中関係を考えるうえでも参考になる。中国を知り日本を知る最良の入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
39
巷には嫌中本が溢れているが、40年以上前のこの新書を読んでほしい。華僑の子孫で直木賞作家の陳舜臣が日本人と中国人の違いを説得力ある筆で説く。日中双方は150年前まで「どうでもよい隣人」だったが、幕末明治からそうはいかなくなり、すれ違いが今日まで続いている。役に立つと分かればすぐ取り入れる日本と時間がかかる中国。形式主義、説得主義の中国と血統主義の日本。殺や鬼という字をめぐる意識の違い。シンメトリーの中国と不完全の日本人。ただ、両者は人間至上主義という共通項も。違いを認めつつ付き合っていく必要がありますね。2017/11/16
Toska
23
「鬼」「殺」「死」といった一見分かりやすそうな漢字でも、日本と中国とではニュアンスが異なる。日本の提督が揮毫した「見敵必滅」の額は、中国語では「敵を見れば、かならず滅びる」という意味にしか取れない。等々の小ネタから始まって、日本人と中国人の似て非なる文化的特性や考え方のクセを分かりやすく紹介していく。非常に面白い。日本人の側からすると、「中国人にはこう見られているのか」という新鮮な驚きがある。2025/08/08
takam
17
中国人と日本人がなぜ分かり合えないかについて。70年代後半に書かれた本だが、扱っているネタが本質的なため現代に生きる我々も肌身に感じることが描かれている。中国人が人に可能性を抱き、独裁政権を生みやすい文化であるという点が分かった。また、儒教支配から逃れたいことが革命の契機になり、太平天国の乱や文化大革命といった事件が発生するという指摘は面白い。彼らはキリスト教やマルキシズムといった思想を理解せずに政治利用する。また、科挙で詩が重要視されるように、中国では文人と政治家の距離が近い文化を生んだ。2020/05/04
mymtskd
9
50年ほど前に書かれたものだが、歴史を鑑みながら本質的なところを述べているので、現在でも十分納得できる内容だった。中国と日本は漢字を使い似たような顔つきの「同文同種」に見えて思考や価値観は全く違う。個人的に思うには、グローバルには日本の方がマイノリティなのではという気がしている。古来より皇帝の象徴である龍と鳳の意味が大変興味深かった。2021/05/31
マッピー
9
「同文同種」使われる言葉と人種が同じ、という意味だそうです。ちょっと古い本なので時代の違いなのかもしれませんが、日本人と中国人、人種が同じと思うことが日本人の共通認識なんでしょうか?日本人と中国人の人種が同じとは全然考えられないのですが。ましてや、同じ漢字を使っているから分かり合えるというのも勘違いで、同じ漢字でも意味が違うことは多々ありますし、今の中国の簡体字と日本の漢字はもう別物でしょう。それを踏まえた上で、日本と中国の違いというのが目新しくて面白い。お互いにわかりあう努力をすればいいと思うのだけど。2019/06/08
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