内容説明
栽培生物ならいいが野生動植物を食べるのは良くない、という倒錯。100年後の予測ばかり報道して科学的事実を報道しないマスコミ。健康診断の基準値変更で一気に増えた患者。がんの検診、手術、抗がん剤治療の強要――。政治的強者や利権で儲ける輩が言い続ける定説を、そのまま信じていいですか。人気生物学者が、不都合な事実の数々を示して鮮やかに切り込む、痛快サイエンス時評。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
池田先生の本は結構面白く読ませてもらっています。今回も分野はさまざまで、最初は政治で環境問題やお得意の健康、がんなどについて様々な意見が開陳されています。やはり健康やがんについてのところが面白くまさにおっしゃるとおりだと思いました。私の年代以上になると健康問題の話がいつも話題になります。私はテレビを見ないで知らないのですが先日「ためしてガッテン」というテレビ番組でのことが会合で話題になり盛り上がっていました。2016/11/23
扉のこちら側
74
2016年1082冊め。政治や環境問題等、世間で通説とされているものの裏側を探る。もっともな意見だと思うもの、さすが科学者だけあると思わされる説得力はあるのだけれど、私の感覚から言うと露悪的すぎと思うところもあった。素なんだろうけれど、下手すれば炎上させようとしているのかと思ってもしまう。2016/12/16
KAKAPO
34
『人間、このタガの外れた生き物』がとても面白かったので、紀伊國屋書店(流山おおたかの森S・C)でフィーチャーされていた『世間のカラクリ』を買いました。本書はメールマガジンに連載したエッセイを抜粋して編んだものとのことで、一貫したテーマがあるわけではありませんが、池田清彦先生の視座がしっかり固定されているので、安心して読むことができます。良くネット上の情報は信憑性がないと言われますが、マスメディアが流す情報も、世間を歪めて見せている可能性があるので、私たち市井に生きる者は、騙されないように注意が必要ですね。2016/12/28
penguin-blue
21
世論や報道には「世界は温暖化に向かっている」「麻薬=悪」「健康診断は必要」などある程度「常識」としてベースになっているものがあるが、そのベースに対して「ほんとにそうか~?!」と極めてオジサン的に切り込んだ本。もちろん作者の学識や経験に裏打ちされているのだが、書き方のざっくばらんさゆえに固い問題でも気軽に読むことができる。作者の意見を鵜呑みにする訳ではないが、自分が判断するのにも様々な角度からの意見を知るべきだと思うのでなかなか面白く読んだ。盟友 近藤誠氏のがん治療不要論もこういう論拠なのか、と初めて理解。2017/09/01
RmB
14
「ちょっと疑ってみてみましょう」というのが、著者のいいたいことなんですね。物事を批判的にみる姿勢というのは、無関心では身につかないでしょうから、まずはは散歩でもして周りの景色をよく見てみましょう。いつもと違うなにかが見えるかもしれません。2016/11/22