内容説明
位相は“近い”という日常感覚を数学的に厳密にとらえ直したもの、といってよく、現代数学において最も基本的で重要な概念の1つである。歴史的には、18世紀から19世紀末にかけて解析学が進展していくなかで、極限・収束・連続性などをめぐる議論から位相空間論が生まれ、20世紀における関数解析学の展開によって、より抽象的に定式化されていった。本書は、数学の意味・こころを語る達人である著者が、1950年代、60年代、70年代に、位相をめぐって書き綴った「位相解析入門」「位相用語集」「位相構造」という3つの文章からなる。著者の名調子に乗せられて、位相のこころを体感してみよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
7
位相に関する知識が不十分で撃沈。2018/09/29
まじぇすた
5
自分の中では「位相」の意味がはっきりしていないので、理屈ではない感覚的・直感的なアプローチの理解を期待して読んではみたものの、超難解な記述や説明ばかりでやっぱり分からなかった。これはもう、その道の専門家か位相マニアな人向けの本だと思った。さっぱり分からないけど、すごくたまに天啓みたいな理解もあった。フーリエ変換、ラプラス変換、コーシーの積分定理、ローラン展開が同じ概念(調和解析)でまとめられると理解できたのは嬉しい驚きだ。今回の読み通しで位相に関する専門用語にはかなり慣れたと思いたい。。。2014/06/19
ハム太郎
4
位相空間論の定式化の歴史を辿りながら, 現在標準的な内容となっている諸概念を解説. 普段完成品としての位相空間論しかお目にかかることはないが, この本ではその成立段階での問題意識や背景に重点を置いており, その意味で非常に貴重. ブルバキの教科書の一通りの解説にもなっているらしく, ブルバキを読む余裕がない自分には大変ありがたい. ただし, 森氏の記述は情緒的すぎて, 主張がわからなかったり, 数学的に不親切な面が目立つ. さらに後半に収められている「位相解析入門」は門外漢には何もわからない.2013/12/05
takeko
1
「位相用語集」が知識の整理に役立ったが他の章は軽く読んだだけではよく分からなかった。2014/07/21
321
1
点々ポツポツでも図はあった方がいい。色んな角度から位相の解釈を知ら無いとつかめないので有用は有用2010/12/01