内容説明
武士のお守り? 性生活の手引き? いいえ、ポルノグラフィーです。独身男(セリバ)たちが溢れた江戸は、遊郭が栄え、艶本(えほん)が数多板行され、男色も当たり前だった。枕絵、笑絵、危絵、美人画……。浮世絵の性化(エロテイサイズ)された画像を対象に、縦横無尽に議論する。春画を、「美術」ではなく、江戸の性の文脈で捉え直し、斬新な解釈を提示する。(解説・上野千鶴子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
65
『春画はポルノグラフィーである』と断定している所が清々しい。昔は全裸になっての性行為はほとんどなかったと聞くとびっくりだが、考えてみると確かに冷暖房が完備しだしたのはつい最近の事だもの。解説で上野千鶴子が言っているように高山宏の翻訳は共著と言ってもいいほどの深みや味のある翻訳となっている。2018/03/20
ふろんた2.0
25
初めての講談社学術文庫(が、これかよ)。芸術作品のひとつとして評価されていた春画をポルノだと言い切り考察する。面白い論調だが、美人画などもポルノとするのは少々やりすぎではないだろうか。用途はどうであれ、今の漫画週刊誌の水着グラビアもポルノと行ってるようなわけで。タイトルにあるように本は右手で持って読ませて頂きました。え、左手はどこにって?電車のつり革ですよ。2015/12/03
かんちゃん
12
90年代後半から春画研究が盛んに行われるようになった。性描写に対して法規制が緩やかになったせいらしい。研究者らはこぞって春画の芸術性をもてはやした。そこに一石を投じたのが本書だ。春画は江戸時代の紛うことなきポルノグラフィティだと断じた。一面、それはごく自然な見方だと思う。一方で、単なるポルノグラフィティにしてはずいぶんと遊び心に溢れ、源氏物語や伊勢物語などの古典に通じていなくては理解できない知的な側面もある。さすがに子供に見せようとは思わないが、江戸期の文化資産だという点では異論をはさむ余地はない。2015/03/02
Cinita
11
美術作品としてでなく、実際に「使用」されたポルノとして春画を捉え、そこに込められた作画の意図・無意識に現れた当時のセクシャリティを分析した一冊。とても面白かった! 着衣・窃視シチュの多さや、肉体描写への無関心といった特徴は他の春画解説書でも指摘されるけど、そこから江戸のジェンダー観を読み取っていく考察がとてもユニーク。飛躍も感じたけど十分に説得力が感じられ、新しい春画の見方を知ることができた気がします。 地口や洒落を交えた文章も楽しい。本文の論理的に弱いところを鋭くついた上野千鶴子の解説もよかった。2025/08/03
mashi
2
巻末の上野千鶴子による解説まで含めて、色々な意味で斬新だったな。最終章中の一節「ヨーロッパ人女性が日本に来たのはやっと1817年のことである。最初に来た女性は春画にされた。」の勢いが好き。副題の意味を始めとして笑えるところが多かった。2015/11/18
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