内容説明
進む社会の分断。台頭する排外主義とポピュリズム。基本的人権・民主主義という我々の拠って立つ価値が足元から揺らぐ今、不安と絶望を乗り越えて社会を再構築する一歩は、「私たちはどこから来たのか」を知ることから始まる――サブカルチャー、社会問題からアカデミズムまで、戦後日本の変容を鮮やかに描ききった、宮台社会学の精髄。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
17
新しい論考から時間軸をさかのぼっていくスタイルは何故選ばれたのだろう。おそらく、それは3.11で日本が決定的に変わったという通説を否定するためだ。ひどい災害と原発事故を経ても、問題は変わらず残っている。むしろ基本路線はそのままで事態はよりひどくなっているのだ。あらゆる事象を包括的・敷衍的に論じるために、散漫な印象を抱くかもしれないが、実際には何度も同じことを繰り返し述べている本だと思う。つまり、エリーティズムにもポピュリズムにも陥らない道を探ること。その一点への突破を目標に掲げている点で、信頼に値する。2017/10/15
ミエル
15
著者の構成力に疑問が…。全般的に風呂敷を広げ過ぎた印象。これでは正しく主題を掴むのに苦労する人続出じゃないかと思う。とにかく、生きる上では学ぶこと考える事をやめるな、ということだけは納得。 ただ、ゴーギャンの装丁は素敵なんだけどね。完全にジャケ買いなのでまあいいか。2017/10/11
ジュンコ
11
エネルギーを使う読書。要再読。2017/04/17
koke
10
再読。民主制は誤るが、他の体制は論外。ゆえに行政を事後的にチェックすることが欠かせない。しかし人々は脆弱な自己のメンテナンスに汲々としている(そうなってしまう構造的な理由がある)。処方箋は共同体への参加と包摂。そのプロセスを開始させるためにエリートが要請される。このこととエリート支配やリバタリアンパターナリズムとの距離は微妙だと思う。微妙だが大事だ。そして今、コロナで専門家システムの存在感は増したが陰謀論も広まった。手遅れでしょうか先生、と聞きたい気分だ(「お前がやれ」と言われるんだろうな)。2022/09/09
サメ社会学者Ricky
6
殺してはいけないと確信するから殺人発生率が小さい社会と、監視と処罰が徹底しているから殺人発生率が小さい社会なら、前者の方が良い社会(徳のある者が溢れる社会)であり、政治のテロスであるべき。そして、徳のある者は良い社会の実現のために政治に関わる。有徳性には他者の有徳化が含まれる。 環境問題にも同じことが言えるのではないだろうか。規則で縛られるよりも、自分たちを支えている基盤の価値を理解して守ろうとする人々が増え、そして他の人にもその大切さを説き良い社会を目指す方が良い。そんなことをふと思った。2020/01/13
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