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内容説明
元陸自隊員にして戦術研究のエキスパートが、兵法書『孫子』の視点で太平洋戦争を分析すると?
約2500年前に誕生し、いまなおビジネス、政治からスポーツにいたるまで幅広い分野で、多くの信奉者がいる『孫子』。
「彼を知りて己を知れば百戦して殆(あや)うからず」で知られ、一般的には、戦いに勝つための戦術書、国家の運営・軍事作戦における戦略書として高く評価されている。
しかし、孫子研究家の著者によると、孫子は、安易な戦いをいさめ、「戦わずして勝つ」ことが本質だという。
しかしながら、いざ戦争となれば「短期間で最小限の損害で戦いを終結する」ことを徹底して追及している。
もし日本の陸海軍の統帥部が、孫子の教えを正しく理解し、戦争指導に取り入れていたら、少なくとも、あれほどまでに負けずにすんだのではないか。
真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦、重慶作戦とセイロン作戦、インパール作戦、マリアナ沖海戦、レイテ決戦、そして本土決戦・・・。
実際に生起した個々の戦いを追体験していくなかで、孫子の教えが理解できるようになる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スター
42
大変興味深い内容です。太平洋戦争の敗因を分析、孫子の兵法に基づいて戦ったら、勝てたのではないかという観点から書いた本。 とりあえず、戦争はなるべくやらない方がいいという事を、再認識しました。2018/11/12
CTC
5
著者は陸自の通信生(少年自衛官)4期卒の元幹部。タイトルから時代背景や常識を無視した軽い読み物を想像したが、経歴だけの事はあって、根のある著者の歴史観が随所に伺える。例えば先の大戦を、満州事変以降連なるもので、全てを見ていかねば惨めな敗戦の説明がつけられない、と冒頭で記している。よって敢えて「15年戦争」の呼称を使用し、その連続の重要性を明記しつつ、個々の会戦での愚かな判断を“孫子の兵法”から炙り出す。孫子の中でも印象的な項目を実例に即し解説するため、戦訓が強調され、わかりやすい。ビジネス応用にも良い。2015/06/16
ささ
2
なかなか無能な日本軍は孫子の教えの何に反したかをいくつかの実際の戦いを例にとり示してくれる本。こんな無能な指揮官って居たんだね。ファンタジーレベルじゃないんだね。なんで日本軍が孫子を軽視したかの考察がとてもためになった。2016/09/20
ごいんきょ
1
情報と兵站。 孫子もこの重要性を説いています。 それを最も怠った日本軍の必敗は当然の帰結でした。 現代のビジネスの世界でもこの二つを怠っている企業の何と多いことか・・・2015/10/13
Studies
1
読み物として面白く、視点も新鮮であった。2015/06/17