内容説明
日本国憲法の施行から70年――。その間、一字一句たりとも変わらなかった“不磨の大典”は、改憲勢力が国会で議席を大幅に増やすなど、大きな転機を迎えようとしている。果たして「改憲」で日本は変われるのか? 「護憲」で日本を守れるのか? だが、いまの憲法改正をめぐる論議では、現実を無視した“条文ごっこ”が延々と繰り広げられていると著者はいう。本書は、気鋭の憲政史研究家が「天皇の規定」「人権」「議会」「内閣」「司法」「財政」など8つの着眼点から、“真にリアル”な憲法論議とは何かを解説。「理想や道徳を条文に入れてはならない」「有事には天皇の『御聖断』でしか対応できない」「日本国憲法では在日米軍が主権者だ」「いまこそ戦前の『枢密院』が必要」「『合憲・違憲』より重要な『立憲・非立憲』の思想」など、従来の論争にはなかった新たな問題提起をする。日本国の経営を根本から考えることこそ、真の憲法論議である。『間違いだらけの憲法改正論議』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきこ
19
巷で繰り広げられている本質を欠いた憲法改正議論を痛烈に批判している一冊。条文に拘る小手先だけの憲法改正では結局のところ何も意味がないという論にははっとさせられました。(それでもとりあえずの9条改正は必要だと個人的には思います。)憲法の土台となるしっかりとした国家観がなければ本質的な憲法議論はできません。今の日本の状況を見ると、そこまではまだまだほど遠いなぁ…と悲しくなります。とりあえず、この本を今読んでおいて良かったです。2018/01/12
RED FOX
16
某与党や某全国紙の改正草案をぶった切り、勿論いまの憲法もぶった切り。キーワードは元首、かな。面白い正論が途中で感情的になって熱い着地をしてしまうこともあるが、その熱い思いから学ぼうと思います。2017/07/30
ネコ虎
15
他に類を見ない憲法論の本質を突いた論述。下手に改憲するよりは、当用(現行)憲法のままのほうがましだと。それくらい改憲派が憲法の本質をわかっていないと論ずる。私も「護憲派」になってしまいそうだ。確かに、9条を改憲するための妥協として、健全財政や環境権等どうでもいいことを書き込まれるよりは、9条が今のままでも運用でしのげるという論に賛成だ。こんなに分かりやすく憲法ひいては政治について解き明かした書はないのではないか。2018/08/26
おおにし
12
自民党改憲案の出来の悪さの根底には元になる日本国憲法に問題があるということがよく分かりました。日本国憲法は「マッカーサーの落書き」からスタートし、その落書きをGHQが素案にまとめたのだが、あまりにも法律の体裁から外れていたので日本政府が最低限運用できるように作り上げたのが日本国憲法だというのが事実のようです。これではいくら改正案を出してもまともな改正はできないでしょう。戦後レジュームからの脱却のため、我々国民が一から日本国憲法を作れるかどうか。それが無理なら今の憲法を護る方がましでしょう。2018/10/31
Viola
6
最近の改憲論争に、初めて憲法を意識したものの、9条にばかり目を奪われて、他の条文をよく知らないことを反省。憲法にどこまで書き込むべきなのか、考えさせられる。どうとも取れる表現や何を指しているのかわからないような作文が記されていたとは。菅直人が総理大臣でも大丈夫な憲法、ってわかりやすい。真剣に日本人が考えなければいけないことだと思わされただけでも読んだ価値がある。2018/06/11
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