内容説明
一九六〇~七〇年代に旋風を巻き起こし、世界に強い衝撃をもたらしたラテンアメリカ文学。その潮流はどのように生まれ、いかなる軌跡をたどったのか。ボルヘス、ガルシア・マルケス、バルガス・ジョサ、ボラーニョら作家の活動と作品はもとより、背景となる歴史、世相、出版社の販売戦略なども描き出す。世界的ブーム後の新世代の台頭にも迫った本書は、広大で肥沃な新しい世界へ読者を誘うだろう。ブックガイドにも最適。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
87
マルケスとリョサのパンチ事件は衝撃であり今年最後にいいことを知った。ラテンアメリカというブランドを流行らせた旗手達や魔術的リアリズムの系譜を学べた辺りは新書だから省いたところありと著者は言うが自分には十分な一冊であった。2017/12/28
HANA
64
ラテンアメリカ文学の百年の流れ、繁栄から衰退までを追った一冊。僕自身はコルタサルやボルヘスを何編か読んでいるだけで、『百年の孤独』も『夜のみだらな鳥』も読んでいない良い読者とは言えないわけだけど。それでも本書を読むと何となくではあるが、ラテンアメリカ文学ブームというものが一握りの作家の牽引によるという事と、良くも悪くも政治とは不可分のものだという読後感が残る。あと著者自体が権威主義的で、昨今のラテンアメリカ文学を文学的見地から切り捨てているのも問題。本書自体は面白くて、教えられることばかりだったんだけど。2017/09/02
巨峰
61
巻末の参考文献が使えるし、ラテンアメリカ文学入門にはありがたい。この本と、読書メーターでの評価を元に漁ってみようか(あまり難解なのは勘弁。) 2017/11/29
まさむ♪ね
61
ラテンアメリカ文学が大好きだ。ガルシア・マルケス『百年の孤独』、フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』は世界最高峰の小説だと思うし、コルタサルの短編は一つでも読めばたちまち彼独特の味わい深い幻想世界の虜になってしまう。この他にもマリオ・バルガス・ジョサ、オクタビオ・パス、カルロス・フエンテス、ホセ・ドノソ、ロベルト・ボラーニョ、セサル・アイラと読んできたれけど、まだまだほんの入り口。その色彩豊かで広大無辺なラテンアメリカ文学百年の潮流を俯瞰できる素晴らしい本でした。2016/10/22
かごむし
47
「ラテンアメリカ文学入門」であるけれども、文学からみたラテンアメリカ入門でもあった。スケールが大きい。いったい何冊の本を読んでいるの、とうなるくらいの膨大な文学作品に言及しながらその系統を整理し、背景にある社会との関連を浮かび上がらせる。文学入門としては、膨大な作品群についての平坦な作品紹介ではなく、文学としての価値を内容に踏み込んで評価しているので、面白そうな本というよりも、読む価値のある本の指針になっていると思う。商業的な成功と文学的価値が必ずしも一致しないとの観点から、なるほどと思うことも多かった。2017/07/03
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