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内容説明
名調教師が語り尽くすサラブレッドの世界。
ウオッカ、ヴィクトワールピサ、シーザリオ、カネヒキリ、エピファネイアなど開業15年でJRA通算600勝を達成、うち重賞68勝、G1勝利は歴代3位の23勝という実力派調教師が語り尽くす競馬の真髄――レースそれぞれが持つ意味や戦い方はもちろん、トライアルから条件戦、新馬戦、未勝利戦まで、馬を使う側の戦略とレースに向かう準備を詳細に解説。いまだから明かせる愛馬の秘話から調教の工夫、トレセンでの調教から厩舎の役割、さらに競馬場のパドックや返し馬の見方まで、目から鱗の理論とエピソードが満載。調教師ならではの視点での丁寧な解説は、競馬ファンのみならず、厩舎関係者の間でも注目されています。
さらに、クラシックディスタンスにこだわるトップトレーナーならではの矜持や、引退後のサラブレッドのセカンドキャリアにも奔走するなど、その人柄がにじみ出る馬本位の考え方に触れることで、競馬の面白さや奥深さを感じ取ることがきます。巷に溢れる“必勝法本”では掴み取ることができない、競馬の本質をわきまえたうえでの馬券検討の重要性に気づき、実践することができる、真に競馬を愛する人々のための一冊です。
※この作品にはカラー写真が含まれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あふもん
35
競走馬をレース本番までに勝ち負けできるように最善の状態に管理する調教師の方の本です。競馬関係の本でありがちなタイトルが若干うさんくさいですが(笑)、調教師の細かい仕事内容や馬との接し方など、趣のある本でございます。馬を子どもというかレディを扱うような感じがすごくよかったなぁ。勝てない馬を何とかさせるために知恵を振り絞って地方競馬に出走させたなんていう過去の話なんかちょっと泣けてしまいました2019/11/22
Natsuko
23
最近図書館書架巡りのルーティンになりつつある新書棚、手に取ったのは、知れば知るほど楽しめることを実感している競馬本。パラパラ眺め、第5章「パドックを見る~勝てない馬はわかる」というワードに惹かれ借りる。なるほどなるほど!サラブレットが「集中している」状態というのは「さぁレースだ、気合入れるぞ」と意気込んでいるのではなく、隣りを歩く厩務員の指示をじっと待っているということ。一見気合十分に見える馬より、興奮や緊張を「我慢できる」馬が結局強い。陣営側のパドックに送り出す意気込みについての語りも興味深かった。2023/05/13
異世界西郷さん
22
ウオッカやシーザリオなど、数々の名馬を世に送り出してきた名調教師が競馬を語る一冊。最近、競馬にハマり気味な関係で、実際に調教師がどのように馬を見ているのかを知りたくて読んでみました。自分が想像する以上に如何に馬を走らせようと腐心しているのかを垣間見ることが出来て興味深かったです。様々なレースに対する著者の見解や体験もさることながら、実際にどのような調教が行われているかや馬券を買う際の注意点まで解説しており、次に競馬を買う際の参考に出来そうな話もあってこの本はかなりの良書なのではないかと思います。2018/06/26
Tomomi Yazaki
21
G1といえば角居元調教師。その彼が若手との更なる切磋琢磨を宣言した。ウォッカをはじめ、カネヒキリやエピファネイアなどの突出した能力馬を育てた彼が、G1レースを皮切りに、様々なレースの回想を交え解説する。彼曰く、天皇賞(春)はトリッキーな勝ち馬が多く危険を伴い、種牡馬としての価値を下げるので出したくないとか。そんな話も聞けて、馬券の勝率には繋がらないけど競馬を見る楽しさの幅が広がります。ところでブリンカーって、馬を集中させるのではなく、見えない恐怖を与えて騎手に素直に従う効果があるだって。知らなかった!2022/09/11
じょうこ
14
『黒馬物語』に刺激されて、もっと馬の気持ちを知りたくなり、角居元調教師の本を読む。柔らかな語り口で、馬を勝たせること(馬の気持ちを萎えさせずに)、馬の一生を大切にすることなど、とても勉強になる話ばかり。また少し、馬を見る眼が変わったかも。いずれにしろ、競馬はある種、お馬さん達にお仕事を強いているわけで、そして私はそこから楽しみや感動を享受してるので(お金ではなく^_^)、お馬達ありがとう、という気持ちは、この本を読んで、より増した。感性を大事にすることも教わった。2022/02/04