ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 冬の灯台が語るとき

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ハヤカワ・ミステリ文庫
冬の灯台が語るとき

  • ISBN:9784151797026

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内容説明

エーランド島の岬の古い屋敷に移り住んだ一家を不幸が襲う。そして、屋敷にも異変が起きて……「ガラスの鍵」賞ほか、三冠に輝いた北欧ミステリの傑作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

117
灯台守の屋敷に刻まれた悲しい記憶。新しく越してきた家族を見舞う悲劇。押込み強盗を働く三人組。女性警官。いくつもの視点で話が進行し、すべての糸はクリスマスの夜、ウナギ岬へと集束していく。スウェーデンのエーランド島に吹き荒れる渦雪が、あらゆるものを渦に取込み霧散させてしまったかのようだ。とてもとても好みのミステリー。オカルティックな雰囲気もすごく良かった。スウェーデンにもコックリさんみたいなものがあるのね。早くシリーズ全巻文庫化してほしい。2017/08/25

しいたけ

102
バルト海に浮かぶ島。冬の厳しい自然。愛するものの突然の死とその謎。そこに、何代にも渡る悲劇と邪悪、死者がクリスマスを祝うために集まるという古い言い伝えが和音のように絡み合う。不穏な前奏が物語が戻るたびにあらわれる。不協和音は『過雪』にかき消され生死の合間に吸い込まれていく。傍らに死がいつもあること。その寂しい優しさに酔いしれた。2019/12/20

ちょろこ

89
北欧の冬の物語、の一冊。エーランド島シリーズ第二弾はクリスマスミステリ。岬の古い屋敷に越してきた家族を襲った悲劇。死者たちが集うという言い伝えのあるクリスマス・イヴ。猛吹雪に襲われたエーランド島で明らかになる真実。スウェーデンの民話、幽霊奇譚、ミステリ、冬の静けさ、イェルロフの登場と、好きなものが全て詰まっていて、前作 秋を上回るぐらい魅力的な作品だった。渦雪という北欧の自然が物語全体をよりミステリアスに包み、そして渦雪がぴたりと止むように訪れる静寂と真実。北欧の冬が残すせつない余韻もたまらない。2018/12/25

mii22.

76
エーランド島シリーズ2作目。スウェーデンにはクリスマスを祝うために死者が帰って来るという民話があるらしい。バルト海に面したエーランド島のうなぎ岬に渦雪とともにクリスマスイブにやって来たのは..岬にそびえる北と南の双子灯台だけが知っているうなぎ岬にまつわる多くの人々の歴史が今明かされていく。美しい景観と冬は氷と渦雪で空と海と大地の境もなくなるほど厳しいうなぎ岬、数々の犠牲と哀しみと別れを刻んだうなぎ岬の家は決して亡霊たちの住みかではなく、ここで暮らしていく人々を守り安寧をもたらすものであってほしいと願う。2019/12/24

papako

71
待ってました!エーランド島シリーズ2冊目。やっと電子書籍になった。相変わらずの陰鬱な雰囲気。ウナギ岬の屋敷に引っ越してきた家族。ある日妻が不慮の死をとげる。死亡を告げられた時、間違って娘の名前を聞かされた夫。その絶望の原因がわかると、不幸な家族の姿が見えてくる。そしてイェルロフは、ロクデナシの兄の孫娘に昔語りをする。何もかもを真っ白にしてしまう渦雪の圧倒的な力。クリスマスに帰ってくる死人たち。夫の姉の死に責任を感じる妻は、どんな想いでひとり屋敷を直していたのか?死を感じるほどの寒さって!どっぷりでした。2017/04/03

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