河出文庫<br> 植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

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河出文庫
植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

  • ISBN:9784309464381

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内容説明

見てもいるし、覚えてもいる!科学の最前線が解き明かす驚異の能力!視覚、聴覚、嗅覚、位置感覚、そして記憶――多くの感覚を駆使して高度に生きる植物たちの「知られざる世界」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

75
題名からして擬人化した表現を取っているが、昔年の「植物の神秘生活」風な素人騙しな本ではない。人間など動物の感覚との対比などを通して植物の感覚能力についての最新の成果を(かなり分かりやすく)伝える内容。読みやすく親しみやすい。昔、モーツァルトの曲を聴かせて育てると植物の生育がいいとか、ロックはダメだとか、あれこれ話題になったことがあるが、本書では科学的見地から検討されている。2021/03/27

yumiko

73
「そこまで」って一体どこまで?気になる題名に手に取ってみた。動かないという生存戦略を選択した植物。彼らはその代わりに、周囲の環境を敏感に察知する感覚を発達させた。見聞きし、匂いを嗅ぎ、接触や位置を感じ取り、そして記憶さえする。厳密に言えば彼らに目や耳、脳があるわけではなく、あくまでも人間よりに分かりやすくした表現。けれど静かに佇む植物に私たちと同じような感覚があると知って、同士的感情が湧いたと言ったら不思議だろうか。こちら側の一方的感情には違いないけれど♪2017/05/21

翔亀

39
【植物の擬人化2】植物は「見て」「匂いを嗅ぎ」「接触を感じ」「聞き」「覚える」。人間の五感に対応する感覚や知能を持つことを、人間との比較で解説している。しかし、擬人化では全くない。植物には目・鼻・皮膚・耳などの感覚器官や脳はないが、それにあたる機能や遺伝子が存在するのだ。よくよく考えればあたりまえの話で、植物が成長するには、環境の変化を知り、それに対応する必要がある。芽が日光の方向に伸びたり、桜が必ず春に咲くのは、光や季節を感知し反応している。しかし、そのメカニズムが解明できたのは最近の分子生物学を含め↓2020/11/06

まると

21
植物は、光を見て育つ方向を探り、熟した仲間の匂いを嗅ぎ、接触を感じ、重力から位置を認識し、そして過去に起きたことを覚えている。ただ、聞く力はほとんどないらしい。動物のように脳がないので、その感じ方は人間などとは全く異なるが、感覚を武器に、生きるために動く能力は確実に持っているのだという。遺伝学の知識も交えて動物との相違点と共通点を示しながらレクチャーしてくれるのでその成り立ちが理解しやすく、とても面白く読めた。理解が深まった分、少しだけ植物をうまく育てられるようになったかも。世界観を広げてくれる良書です。2022/10/06

Sakie

12
植物には脳も神経もない。だからといって、芽を出し、生長し、花を咲かせ、種をつくって枯れる機能を持った機械ではない。植物は…人間が生体を表わす言葉では表現しづらい。擬人化では、誤ったニュアンスが人間側に返ってくる。だからこの本の「知っている(know)」は言い得て妙だと感心した。研究では植物の持つ能力を知るために、通常の植物のほか、化学薬品に晒してDNA変異を誘発した植物を用いて比較検証などの実験をするそうだ。見る、嗅ぐ、感じる、聞く、憶える…。彼らが生きるために、必要な能力だ。でも、やっぱり不思議な感じ。2022/10/22

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