内容説明
大学1年の白井恒は、図書館で遠坂渡と出会い、なかば強引に友だちになる。だが、不思議な影をまとう渡が本当は何者なのかは、謎に包まれ
たままだった。ある日恒は、渡には彼のせいで3年も意識が戻らず寝たきりの義姉がいることを知る。罪の意識を頑なに抱く渡は、恒に出会って光差すほうに歩み始めるが、それも束の間、予期せぬ悲劇が彼を襲って――。渡が背負った罪悪感、祈り、愛、悲しみとはいったい…。スターツ出版文庫大賞にて優秀賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんちゃん
20
大学生の恒は図書館で自分と気の合いそうな渡と出会い、友人となるが、渡は自身の事を語らない。後に渡には植物状態の姉がいる事を恒は知る。彼女は渡のせいでその状態になっていた。暗かった渡は恒との友情で少しずつ前向きになってきたが…。ひと夏の男の友情を25年の時を経て、恒が振り返る物語。スターツ出版文庫大賞優秀賞作品。同出版の作品らしく若者向けのお話。しかし、本作は他の同出版作品とは少し毛色が異なり、大人が読んでも十分楽しめる内容だと感じた。2018/04/30
chi.
10
主人公の白井恒が妻へ向けて遺した手記。二十五年前の夏に図書館で出会った一人の男、遠坂渡との出会いから別れまでを綴っている。恒にとって渡が大切な友人だったことが分かる。渡、啓治、深空の関係は渡の行動で崩れてしまったけれど、その行動に至った経緯を考えると簡単に責めることもできない。思っていたより重たい作品でした。2020/04/13
yume
9
図書館で出会った、恒と渡の青春友情物語。恒の渡への恋愛感情なんじゃないかと言うくらいのしつこさがちょっと女の子みたいだなぁって思った。途中から重くなっては来るけど、とても引き込まれて読みやすい小説。2019/04/25
nekoぽん
8
家にあった家族の本。表紙とタイトルに惹かれました。想像したような青春小説というよりは結構重く、悲しい内容ではありましたが最後は温かい気持ちになりました。 腑に落ちない部分もあったけど舞台が個人的に馴染み深い場所だったり本好きなところで二人の青年を身近に感じました。 なにげない時間でも大切な人との時間は本当に貴重です。 そんな当たり前のことを気づかせてくれた本でした。 青春の輝き、友情の物語です。2017/06/02
ランタン
7
最初の数ページはオーラあったんだよ。作者の過去作見たからか全体的にホモだなぁと思ってしまった。2017/09/08