内容説明
瑚春は、幼い頃からいつも一緒で大切な存在だった双子の弟・春霞を、5年前に事故で亡くしていた。その春霞の死から立ち直れず、苦しい日々を過ごす瑚春の目の前に、ある日突然、冬眞という謎の男が現れ、そのまま瑚春の部屋に住み着いてしまう。得体の知れない存在ながら、柔らかな雰囲気を放ち、不思議と気持ちを和ませてくれる冬眞に、瑚春は次第に心を許していく。しかし、やがて冬眞こそが瑚春と春霞とを繋ぐ“宿命の存在”だと知ることに――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
51
「きみ」への想いが切ない沖田さんの『きみシリーズ』3作目。タイトルにきみが付くからと勝手にそう名付けてしまったがご容赦(笑)双子の弟を亡くしたショックから立ち直れず懊悩する主人公瑚春の前に冬眞という男が現れた。冬眞はなし崩しに瑚春の家に居候することになったが、瑚春は何故か素性がわからず謎めいた冬眞の行動や仕草に惹かれてしまう。そして心を許していく。表面的な気持ちとは逆に感情の奥深くで惹かれていくことには理由があった。それにしても瑚春さん、小説の中とはいえ見ず知らずの男性を簡単に家に招き入れてはいけないよ!2020/03/10
mio217
46
過去の何かが心にひっかかり、前へ進めないという、リスタートしたい「若い方」にお勧めな本なのかな。とても綺麗なお話です。でも、私には綺麗すぎて眩しくて眼を閉じたかった(笑)。どうしてもこの手のストーリーは「世界ビックリ仰天!」を連想してしまい、ツッコミを入れたくなる。話も先が読めてしまうから、きっと私にとって全体的に出来過ぎてるのでしょう。この話、有川さんのあの植物の図鑑の話に似てるんだけど、全然キュンキュンこなかった。有川さんのそれは、この歳にして相当キュン死した。内容はかなり違うんですけどね。2017/02/17
はな
43
双子のお話です。双子ってこんなにも仲がいい?のだろうかとちょっと穿った見方をしてしまいました。兄弟の関係にもよるのかなとは思いますが…。あらすじとストーリーの流れでどうなっていくのかというのが見えてしまったので、帯ほどの感動はなかったかな。綺麗にまとまっていて主人公のコハルとトーマが歩みを進められる感じで終わったのはよかったと思う。あと、両親とも和解できるだろうと思えたのでちょっとほっとしました。2017/01/14
蒼雨
34
2017年初読了‼︎沖田円さんの本の中では1番好きでした。最初はなんかどこかで読んだことある気がするお話だなぁ……とは思ったのですが……最後に向かって完全に夢中になって読んでました。「上ばかり見てたら躓くし、地面しか見てなかったら今居る景色もわかんねぇから。バランスが必要だよ」っていう店長の言葉が印象に残りました。すごく綺麗なお話でした。2017/01/09
sou
29
図鑑の物語を連想してしまうスタート。ただ中身は全然違う。近くに居なくなってしまった片割れへの想いを抱きながら暮らす主人公は1人じゃない事と1人になってしまった事を再確認し前にすすむ。いい物語ですね。2回読んでしまいました。2017/02/12
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