内容説明
アスペルガーの当事者である私が、言語聴覚士となり、アスペルガー者の妻となるまで。当事者・支援者・家族という3つの立場で「見えない障害」を生きる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
35
かなり個人的なことや周囲を傷つけそうなこともあからさまに書かれているのがアスペルガーっぽい人だなぁと思った。仕事があり結婚していて家を気に入ったように建てるお金があるという点ではすごく恵まれている。収納部分で扉などがあって中が見えないものは外にラベルを貼るというのはいいかも(って収納系本じゃないのにw)2013/06/16
Roko
33
子どもの頃から療育を受けてきた由美さん。同じような障害がありながら、大人になるまでそれに気づかずにいた旦那さんに困ったなと思うこともあるけれど、のびのび育ってきた彼のことを羨ましく思う点もあるのです。療育をする立場と、当事者としての立場、その両方がわかることで、うまくいくこともあるし、悩むこともあります。様々な体験を通して彼女は言語聴覚士としての仕事を続けています。彼女のような人の存在は、ほんとうに貴重です。2023/05/30
風眠
20
アスペルガー症候群の著者が自分の体験を書いているので、どんなことに困難を感じているか、どんな気持ちで、どんなことに傷つくのか、そういう細かなところが非常にわかり易かった。旦那さんの症例と併せて、ふたつの症例が読めたのも良かった。仕事で、こうした「目に見えない障害」を抱えている方たちと関わることが多くなってきたので、勉強のために手に取ったが、参考になるところがたくさんあった。障害のあるなしに関わらず、人間同士、分かり合うためには多少の努力が必要。お互いに気持よく過ごすための工夫は、どんな人にも必要なこと。2012/08/08
ミュール
13
日々子どもたちと接する仕事上、発達障害について勉強したくて手に取った一冊。当事者がどんな言葉でどう反応するのかが具体的に書いてあり、とてもわかりやすい内容だった。確かに当事者にとって抽象的なことを理解することは難しいのだろうと思われる。空気を読むことも苦手分野ということか?周囲のひとがそのことを知ったうえで最善の方法で接することができれば、もっと人間関係は上手くいくのだと確信できた。私自身もっと勉強する必要がある。2018/10/13
斑入り山吹
11
我が身のみならず半分我が身のような者もASだと思う。それが原因でいろいろ困ったことがあったのでつい読んでしまった。100人いれば100通り、と書いてある通り、似ていることもあれば違うこともある。その中のひとりの著者が当事者として己のASとどう付き合っているか、そこが分かってよかった。全然タイプの違う夫の存在も興味深い。ずいぶん正直な本だ。でも、己のASを意識させる本を読み込むと、自分は違うんだ、という泥沼な考えにずるずると引きずり込まれそうになるので、距離は置きたい。結局自分で何とかするしかないのだから。2013/07/29