ちくま新書<br> ナショナリズムの復権

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ちくま新書
ナショナリズムの復権

  • 著者名:先崎彰容【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2017/03発売)
  • ゆれるコスモス!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~9/16)
  • ポイント 175pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480067227

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内容説明

国家を考えることは、人間の根源的なあり方を考えることだ。第二次大戦後のリベラル・デモクラシー体制への違和を表明したアーレントや吉本隆明は「全体主義」の中に何を見て、いかなる国家を構想したのか。江藤淳や橋川文三、丸山眞男らは、ナショナリズムをめぐりいかなる思想的対決をくり広げたか。数々の名著から、ナショナリズムと無縁たりえぬ現代人の精神構造を明らかにし、国家の問題を自らの課題として引き受けることの重要性を提起する。注目の若手思想史家の論考。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

35
アーレント、吉本隆明、柳田国男、江藤淳、丸山眞男だけでなく、他にも様々な思想家に言及していて、その多さだけに注目して読んでも勉強になります。歴史や伝統に価値を置くとすれば、部分的に正否を判定するのではなく、矛盾するかも知れないその豊饒さこそ先人たちの恩寵であり、それを受け継ぎ思考することが知性だということになります。右派とは、自分へ向かった批判を引き受け、はっきりしない態度と言われつつも主体の在り様を模索し、批判に対して何かを返すことにあるでしょう。2020/08/04

さきん

22
国家を考えることは、人間の根源的なあり方を考えることだ。第二次大戦後のリベラル・デモクラシー体制への違和を表明したアーレントや吉本隆明は「全体主義」の中に何を見て、いかなる国家を構想したのか。江藤淳や橋川文三、丸山眞男らは、ナショナリズムをめぐりいかなる思想的対決をくり広げたか。数々の名著から、ナショナリズムと無縁たりえぬ現代人の精神構造を明らかにし、国家の問題を自らの課題として引き受けることの重要性を提起する。注目の若手思想史家の論考。2016/09/03

ふみあき

20
5、6年前に買って、半ばまで読んで挫折した本を再読。今回は読了できたが、なぜ以前挫折したのか思い出した。今回も3、4割は理解できなかったほど難解だし、文体のクセがスゴい。第5章以降、丸山眞男と江藤淳の朱子学への対照的な評価、そして民主主義とナショナリズムの関係性を巡る思想的対立が論じられるあたりから面白くなってくるけど。あとはナショナリズム=土地、全体主義=血統、というアーレントに依拠した議論が印象に残っているか。似たようなテーマの新書なら、萱野稔人『ナショナリズムは悪なのか』のほうが、よほど勉強になる。2021/07/28

ハチアカデミー

17
復興と自民党を支持することは全く関係がない。自民党を支持することがナショナリズムではない。むしろ、ナショナリズムを権力者が利用しているだけだ。故郷を愛することと、戦争に荷担することは異なる問題であることを探り探り考察した一冊。いちど「悪」の烙印を押され、戦犯扱いされた「ナショナリズム」は、時代の「悪」を投げ込まれるプラスチック・ワードとなる。「死者」と向き合うこと、という抽象的な結論はともかく、ナショナリズムを、全体主義でもない、宗教でもない、民主主義でもない、と腑分けたことに目を開かされた。2013/09/09

ネムル

16
ナショナリズムを3つの誤解、すなわち全体主義・宗教・民主主義から解き放つことで、本来のナショナリズムを復権する。その本来の姿が死者の声を聴くという、ふわっとした解答なのはいまいちピンと来ないが(正しく歴史を認識し、引き受けるという点でならわかるが)、アーレント・吉本隆明・江藤淳・丸山眞男の読解として参照。2018/10/03

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