内容説明
七十年にわたる複雑な事績が、史料を踏まえてこれだけの長さの小説に集約されたのはめずらしく、なみなみならぬ労作といえよう――寺田博(文芸評論家、解説より) 徳川家康は、言わずと知れた戦国時代の最終勝者。しかしその生涯は、実は負け通しであった。武田信玄の術中にはまって三方原で大敗、盟友・信長には息子・信康を弑するよう命じられて従い、秀吉には局地戦で勝ちながらも、卓越した外交手腕の前に膝を屈した。なぜ、かような男が天下人となりえたのか。そして、この男の本音とは――。独白体で家康の秘められた胸中に迫る歴史長編。『家康』を改題。(以下、本文より抜粋)周知のとおり、某(それがし)は数えきれないほどの戦さもした。そのほとんどすべてに勝ったように見えるかもしれぬがのう、じつは負け戦さのほうが多いんじゃ。(中略)負けて逃げて、負けて逃げて……そのくりかえしじゃよ。じゃがな、某は逃げるたびに大きゅうなった。ひとまわりも、ふたまわりものう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鍵ちゃん
28
負けて逃げて、負けて逃げての繰り返し。武田信玄の術中にはまって三方原で大敗、朋友・信長には息子・信康を殺すよう命じられて従い、秀吉には局地戦で勝ちながらも、卓越しした外交手腕の前に膝を屈した。なぜ、かような男が乱世を制することができたのか。忍従を強いられた壮年期から、大勝負に打って出た晩年まで、家康の秘められた胸中を描き切った。来年の大河の予習として読みました。晩年まで苦労したが、乱世の強者達が手本となったおかげで家康が出来上がった事がよくわかりました。松潤がどのような家康になるが期待したい。2022/12/17
Book Lover Mr.Garakuta
14
【おきな書房】【速読】:家康の壮年期から晩年の物語。武田との三方原から始まり。天下を手中に収める関ケ原(実際は大阪の陣まで)までを描いた作品で、学ぶべきことが多い本だった。特に指導者が、耐え忍ぶことを学に十分たる内容であった。2022/12/26
どらんかー
2
徳川家康の生涯についてわかる物語2018/01/12
tatsuya izumihara
1
歴史小説初心者であるが、史実のそって徳川家康目線で描いているので面白くかつ史実に詳しくなった。戦国時代後期の武家社会のあり方、慣習など良くわかった。2017/11/19
アイマール
0
逃げて、堪えて天下をとった家康。 我慢が大切ですね。2019/10/28
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