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内容説明
如何に生きるか?生きるとは何か?愛と死、幸福と嫉妬、瞑想と懐疑、孤独と感傷、虚栄と名誉心、利己主義と偽善、旅と個性…、透徹した真摯な眼差しで人生の諸相を思索する。
近代と現代の狭間で人生の処し方・生きざま・死生観が問われた時代に書かれた、今なお読み継がれる畢生の論文集。
『人生論ノート』/死について/幸福について/懐疑について/習慣について/虚栄について/名誉心について/怒りについて/人間の条件について/孤独について/嫉妬について/成功について/瞑想について/噂について/利己主義について/健康について/秩序について/感傷について/仮説について/偽善について/娯楽について/希望について/旅について/個性について/後記
ほか、『語られざる哲学』、自分の娘へ当てた書簡『幼き者の為に』所収。
解説/岸見一郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
34
伝統の問題は死者の生命の問題である(14頁)。幸福は人格である。幸福を武器として闘う者のみが斃れてもなお幸福である(25頁)。習慣を自由になし得る者は人生において多くのことを為し得る(41頁)。怒りを避ける最上の手段は機智である(65頁)。今日の人間の最大の問題は、形のないものからいかにして形を作るかということである(71頁)。健康の問題は人間的自然の問題である。健康には身体の体操と共に精神の体操が必要である(109頁)。偽善は虚栄であり、虚栄の実体は虚無。虚無は人間の存在そのものである(135-6頁)。2018/02/08
かわうそ
23
思想は仮説的な側面無くしてはあり得ない。仮説の対義語はある意味で常識である。常識というのは中庸であり、折衷主義の集合である。折衷主義が大概につまらないのは仮説的な側面が無いからだ。何かしらの思想体系を持ち、永遠なるものを信じて生きていくことがより良く生きることに繋がるのではないかとこの本を読んで感じる。ショーペンハウアーも言ってた通り、思想が無ければ大概の物事は忘れられてしまう。しかし、自分の思想を持つと途端に記憶力が良くなる。それは自分の思想によって検証がなされるからだろう。2022/08/17
かわうそ
21
成功を幸福、不成功を不幸と捉えるという近代的価値観が生まれたことによって人々は真の幸福とは何かということが分からなくなってしまった。それと同時に幸福とは何かということを考えなくなってしまったのだろう。さらには厭らしい実証主義によって仮説は次々と否定されて人は虚無主義に陥っていった。2022/08/16
getsuki
15
約2カ月かけて読了。読みこなすには骨が折れるが、最後の「幼き子の為に」は三木の亡き妻や娘への想いが迸っており、心を打たれる。2017/05/25
イボンヌ
12
再読のはずなのですが、面白く難しい。48歳で獄死。治安維持法め。人生論ノートの他、二篇が含まれています。2018/01/26