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内容説明
国家なんて要らない。資本主義も、社会主義や共産主義だって要らない。いまある社会を、ひたすら自由に生きよう──そうしたアナキズムの思考は誰が考え、発展させてきたのか。生みの親プルードンに始まり、奇人バクーニン、聖人クロポトキンといった思想家、そして歩く人ルクリュ、暴れん坊マフノといった活動家の姿を、生き生きとしたアナーキーな文体で、しかし確かな知性で描き出す。気鋭の思想史家が、流動する瞬間の思考と、自由と協働の思想をとらえる異色の入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
78
五人の代表的なアナキストの簡単な評伝から、アナキズムの現在の意味合いについて語る新書。著者によると、世間的にアナキズムはすっかり廃れたことにされていて、まともな入門書が皆無であるのでこの本を書いたと。この独特の語りは、アナキズム研究家の栗原康の文体とほぼ同じ。若者向けを意識しているのだろうか。アナキズムが生まれた19世紀の背景と当時ライバルであった共産主義との関係なども。といっても気軽に読める内容だ。個人的に、ウクライナのマノフは初耳だった。「おわりに」に少し感動した。『いつも心に革命を』2017/09/29
Adoの歌う『踊るポンポコリン』そっくりおじさん・寺
72
私はエエ歳こいてアナキストになろうと考えた。悪い世の中、次世代の為にせめて思想ぐらいは変えておいて、なんぞの時に味方してやりたい。という訳で、先日読んだ『国道3号線』が面白かった森元斎先生の本書に入門した。いま、比較的に入手しやすいアナキズムの本はたいがい大杉栄や伊藤野枝メインのものが多いので、そのまた元祖の海外アナキストを手っ取り早く学べるのは本書ぐらいである。アナーキーとは、飢えた狼みたいな奴が中指を立ててる様なイメージだが、プルードンもバクーニンもクロポトキンも髭モジャの太っちょで可愛いでないか。2020/12/06
skunk_c
67
マルクスに批判されたプルードンに加え、バクーニン、クロポトキン、そして初めて知ったルクリュとマフノの、パリ・コミューンからロシア革命にかけて活動した5人のアナキストの評伝を通じ、国家や政府による支配を廃し、究極の人間的自由を目指すアナキズムが、どのような思想かを分かりやすく説いた書。文体がちょっと栗原康に引っ張られた感じだったり、ロックバンドの歌詞などの引用がちりばめたりと、若者への意識が覗く。マルクス=レーニン主義への憎悪に近い記述は、アナキズムとの関係と同時に、権威主義国家への反発か。2020/03/11
ネムル
20
クロポトキンやバクーニンの名はよく目にするが、実際どういう人物なのかはよく知らず、多少なりとも知ってるのは大杉栄くらいか、というレベルからの読了。入門書ではありつつも、果敢に闘いド派手に散っていったアナキスト列伝、敗者の世界史。貴族の出であれ貧農であれ、先人と歴史に敬意をもって闘い抜くのがとてもカッコよい。ファイアー・エムブレムなんかをやる感覚で読んだ、別にアナーキーなゲームではないが。あとはダーウィニズムや文化人類学的なところと強い接点があるのも知らなかった。2018/06/15
takeapple
18
アナキズムというと、爆弾で政府要人を吹き飛ばすなんていう、危ない考えなんじゃないの?それこそ共謀罪で捕まっちゃうぞ、と言われそうですが、実は全然違います。著者が「おわりに」で述べているように、アナキストは優しい心の持ち主で、私も優しくありたいし、優しい人と生きて行きたいと思います。鶴見俊輔の定義によれば、アナキズムとは権力による強制なしに人間が互いに助け合って生きる思想ということ。口語体で書かれた本書は、プルードン、バクーニン、クロポトキンなど5人のアナキストの評伝という形でとても読みやすい。2017/06/18




