内容説明
2017年4月に襲名する六代豊竹呂太夫(文楽)。人間国宝であった祖父・豊竹若太夫の血と師匠竹本越路太夫の芸を受け継いだ70歳。長く厳しい修業が必要な文楽・太夫の中核として活躍するばかりでなく、新作や他分野とのコラボレーションにも意欲を見せる。本書は呂太夫のインタビューを軸に国文学者片山剛が解説を加え、明治~平成の文楽を浮き彫りにする。詳しい注釈や読みがなを付し、初心者に読みやすく通にも嬉しい一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
13
文楽は、かなりしつこく見ています。そして、たぶん2月ころに襲名した呂太夫さんの本ということで、図書館から入手。この本、彼の生まれる前から現在まで、そしてこれからの展望を語る本。面白いと思ったのは、登場する同僚は、お友達ばかりということ。私が注目しているあの人、すごいなあと思っているあの人、そいういった人は登場しない。そして、こいつはアホだと思っている、あの方が2回も登場。この類の本は、あらぬ事は書けない仲間内本だと思った次第。期待していたところとは、かなり違う本でした。残念本。2017/06/02
びぃごろ
11
英大夫改め六代呂太夫襲名おめでとうございます。今迄あまり目立った印象がなかったのですが、この本で人となりを知り次回公演が楽しみになりました。2017/06/27
おさと
6
文楽は一度しか見たことないけど、その時の太夫さんが衝撃的だったので! 人形浄瑠璃とは違うんだなぁ…と思った。2024/08/06
鷹ぼん
3
先日、六代豊竹呂太夫の襲名披露を見てきた。正直なところ、好きでも嫌いでもない太夫さんだったので、その日はまだこの本を読み始めて数ページの時点だったので、襲名狂言で感じたのも「襲名しても急には変わらんよな、そらそうや」というものだったが、ページが進むにつれて、逆に「自分は今まで呂太夫の何を聴いてきたのか」と、自分の浄瑠璃を聴く耳を恥ずかしく思うばかりであった。呂太夫の語りのみならず、生き方や人間的な魅力があふれる本書は、文楽ファンでなくても読んで「なるほど」の一冊である。ぜひ、ご一読を!2017/04/11