内容説明
今ではどんな人物だったか知る人も少なくなった、戦後を代表する大作家たち。彼らは、「昭和」という時代をいかに見つめ、実際に生き抜いたのか──。昭和史研究で知られるノンフィクション作家・半藤一利氏が、文藝春秋の編集者時代に間近に接してきた作家たちの素顔とは。彼らが半藤氏に語り残した「遺言」が、今を生きる我々に警鐘を鳴らし、エールを送る。作家の目を通して見る「昭和史」の真実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
58
昨年初め逝去された筆者。たまに時を置き、文章に触れたくてたまらない。だから作品群を読んだかというとお恥ずかしいけど。装丁は筆者自作の版画。ほとんど語らずしていった父も隅田川を漕ぐボート部、桜風景の話だけ聞いた。ここに語られる文士は昭和初めから半ば。今どき文士なんて死語じゃないかと思うけど半藤さんには語るのに相応しい人となりがある。俎上に上がるのは荷風・司馬遼・清張等。後者二人は私の若い頃の知的歩み(そんなんあったかなと思うけど」に木鐸たる存在。菊池寛にも触れている・・高松に生まれ、没落する家を支えんと借金2023/09/10
犬養三千代
12
昭和史の探偵による昭和を生きた作家たちの記憶。永井荷風の評価が高い。戦争の足音を早くに聞き分け批判している荷風。その他安吾、清張などの評価が高い。 諭吉ほか5人の子供への遺言のなか、龍之介の文章は哀切に響いた。 昭和を見る目、磨きたいと思う。2017/10/04
田中峰和
7
入社8日目で坂口安吾の原稿取りにいかされ、1週間坂口邸に泊まり込み、実家から連絡が入るまで会社も忘れていたという牧歌的な逸話に驚く。そんな浮世離れした半藤が文春の専務になり、歴史探偵と呼ばれるまでになるのは本人の人柄ゆえ。文壇の有志が集い、文學界を立ち上げた歴史が語られる。昭和8年、作家が編集者を務める同人誌としてスタートした文學界は、経営難から何度も休刊を繰り返し、文藝春秋発行となって収益も安定した。しかし、軍部独裁と思想統制によって発禁処分を受ける。安倍政権の詐欺的政治は、歴史探偵に見抜かれている。2017/05/17
rinrinkimkim
5
アチコチにかかれた半藤さんの文章を集めた1冊。女性雑誌「voche」にも書いていましたよ。驚きました。女性が優秀になり男性を凌駕することは最高文化に到達したことだ。その後には滅亡かやり直しが待っているとあってドキッとした。まだまだ女性の活躍には伸びしろがると信じているので滅亡は先だと信じたいです。あと「国家は国語」も重い言葉だな。奈良時代の古文書でも漢字は今と同じ字もある。文化文明が途絶えていないからですね。国語が1300年途絶えることなく続いていること。これを次世代に渡さねば。2021/07/24
冬薔薇
4
歴史探偵と名のる著者が影響を受けた作家たち、高見順、坂口安吾、松本清張、司馬遼太郎、伊藤正徳らとの交流。文士の日記による歴史のひも解き、歴史の真実を探る難しさ、昭和史に魅せられたことなど。「昭和史」、「日本の黒い霧」など読みたくなる。2018/03/31
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