内容説明
絶筆となった評論エッセイ「天空の詩人 李白」と、作家として忙しい日々を過ごしていた頃のほぼ未発表の詩集「澄懐集」を合わせ、漢詩という切り口で作家・陳舜臣を再発見できる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
66
酔看風落帽 舞愛月留人 李白は剣の達人でもあったのですよ。 後半の漢詩は知らないのばっかりだと思ってたら、ドライブだの北京大学だの出てきて、著者のだった。2023/11/16
金吾
27
○好きな李白の詩を題材にした陳さんのエッセイであり、淡々とした記述でありながら情景が浮かぶ表現を堪能出来ました。後段の陳さんの漢詩「翡翠」は良かったです。2023/05/08
ナハチガル
15
李白を主人公にした小説と思って手に取ったら詩人と詩の解説だった。タイトルがなんだか安易というか、ドラクエ?みたいだと思ったが、これは李白に特徴的な俯瞰するような描写を表していて、これには納得した。後半は陳さんの詩の紹介だったのでとばした。あとがきが、中国語ジャーナルで長らくお世話になった加藤徹先生で、その内容がすばらしかったので感激した。「同じ人間は二度と現われない。文学は、そんな一回性の人生を徹底的に描くことで、かえって人間の不変的な本質を浮き彫りにする。そんな逆説は、文学が持つ魔法であろう」B。2017/05/05
まえぞう
5
中国歴史小説の楽しさを教えてもらった陳舜臣さんが亡くなって2年と少したちます。いろんな作品で知られた著者でしたが、私は中国の歴史ものばかり読んでいて、ほかの作品は手つかずでした。本作は絶筆だそうなので読ませていただきました。漢詩は心穏やかな時にこそ楽しめそうな感じがします。2017/05/05
スプリント
5
前半は李白についてのエッセイ、後半は陳舜臣氏の自作の漢詩集です。中国の詩歌史上で最高の詩人の一人とされる李白の漢詩と一冊の本に掲載するという大胆な構成です。2017/03/20