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内容説明
▼第1話/夢の終わり▼第2~3話/約束の明日[前・後編]▼第4~5話/人魚の傷[前・後編]●主な登場人物/湧太(元は漁師。人魚の肉を食べ500年間不老不死のまま生き続けている)、真魚(まな。人魚の里で育てられた少女。いけにえにされる所を湧太に救われ一緒に旅をする。気の強い娘)●あらすじ/旅の山中で、土砂崩れで生き埋めになってしまった湧太と真魚。だが不死身の湧太は、地元の猟師に供養されている途中で甦った。ところが、やはり不老不死であるはずの真魚の姿が見当たらない。自分の身の上を語り、真魚の行方を聞く湧太に、猟師はもう生きてはないだろうと語る。その山中には「大眼(おおまなこ)」という化け物がいて、日夜人を食い殺しているというのだ…(第1話)。●本巻の特徴/第2~3話「約束の明日」では、60年前に湧太と想いを寄せ合い、今は死んだはずの苗という女性が60年前の姿のまま現代に生き返った。彼女の家にあった“人魚の灰”と、彼女の婚約者だった男に関わりが…!? 表題作「人魚の傷」では、以前、湧太と真魚が旅の途中で知り合った母親を訊ねて一人旅をする子供・真人と再会する。本巻も全話を通して不老不死をもたらす人魚の肉をめぐる、切なく哀しい物語が描かれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tario
16
鬱々とした内容なのにグイグイ読んじゃう。人魚に関わった人は哀しい思いをしてるし救われない。2015/09/10
十六夜(いざよい)
13
人魚シリーズ2作目。子供の状態で人魚の肉を食してしまったばかりに、数百年子供の姿で生き続けてきた少年。ある意味死ぬより辛い地獄かもしれない。この少年の話が全話の中一番印象深い。2014/07/31
のれん
11
心を持った怪物、別れた女と執着した男と不老不死あるあるのテーマで話を作っていく中で、表題作のサスペンス感は緩急があって面白い。 人と共に生きられない不老不死は恐怖すら飽きてしまう。死に別れにすら心一つ動かされない。それを生と言えるのだろうか。 執着こそ愛の原点。この人といれるから生きれるし、もし殺されたなら復讐でも何でもしてやる。情は不幸を呼ぶが、そもそも情がなければ幸不幸を計ることすらできないのだ。 犯人の最後はまさしく、情を向ける相手がいたことの証なのだ。例えその執着に死ぬまで気づかなかったとしても。2020/08/02
kanata
9
人魚の肉を食べて「なりそこない」になった男に優しくする真魚だが―。苗さん、湧太をずっと待っていたんだな…な洋館ものはサスペンスホラーばりの絵と話。800年も生きた少年姿の男が哀れだが、最後に仮初でも母の愛を感じられたんだろうなあ。切ない物語ばかり。2017/12/24
せばすた
9
再読。大眼は、犬夜叉の地念児の原型を見た気がする。「約束の明日」は、人間の執念の、恐ろしさと切なさの両方を垣間見ることができた。そしてなんと言っても「人魚の傷」真人は酷い奴だが、情を捨てなきゃやっていられないという悲哀さを感じた。生きた時間は800年だが、心のどこかが子供のまま止まってしまったんだろうなあ。2015/03/09