内容説明
悪名高き公爵が見つけた、心に染みいる純愛――人気作家L・ヒースが精緻に紡いだ、珠玉の愛の物語。
社交界に浮き名を流すアヴェンデール公爵は、退廃的な放蕩暮らしに退屈していた。周囲の女性たちは喉を鳴らし、吐息をもらし、耳元で淫らな言葉を囁く。それが楽しくないわけではないが、誰もが似通っていて同じことの繰り返しだ。そんなある夜、社交場に現れた謎めいた女性ロザリンドにアヴェンデールは目を留めた。取り立てて美人というわけでもないのになぜか心揺さぶられ、思わず彼女を暗がりへ連れ出すと、口づけを交わす。彼女の秘密にも、わが身を滅ぼしかねない危険なゲームを自ら始めてしまったことにも、まだ気づかぬまま。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZU@ 《フィフティシェイズ・フォーエバー》
34
初作家さん。号泣!! 感動!! 読書でこんなに泣いたのは初めて(ToT) 私の歪んだ読書ライフが、清められた感じ。これがシリーズ3だなんて、1と2も絶対読まなきゃd=(^o^)=b2017/04/02
たまきら
27
この作家さん、本当にはずれがない…。女詐欺師がロンドンという大舞台にデビューしたその日に、一筋縄ではいかないお公爵様に出会ってしまうところから話が始まります。彼女の犯罪の後ろには悲しい理由があり、きづけはろくでなし男子とともに自分もどっぷりこの幸薄い姉弟に感情移入してしまう始末。後半の展開に電車の中で涙ぐんでしまった…。しかし、本を少しでもめくれば彼女=緋色のドレスとわかるはずなのに、なぜこの表紙なんだろう?もっとタイトルも彼女の豪胆なところを表現してほしかったかな。2017/11/14
veri
23
これは、この読後感はなんと言えばいいんだろう。ハリーの美しさ、アヴェンデールの芯から冷えるような孤独、ローズの誇り高さに胸がいっぱいになる。ハリーは本当に綺麗で、今まで読んだロマンスの中で最も美しい存在のひとりだ。ロマンスだけど、私の気持ちはぜんぶハリーに持っていかれてしまったので、私にとってこれはハリーのための物語です。もちろん、アヴェンデールとローズのロマンスも素晴らしいのですが、二人だけではここまでこの物語は完璧にはならなかったでしょう。最後にひとこと。やっぱり、親世代先に読みたかったわ…2017/08/09
ベルるるる
21
体中が内も外も変形していく難病だけど、心は決して病んでいなくて真っ直ぐなハリー。そんなハリーの物語だと思った。だって読み終わって心に残っているのは、ハリーが登場した部分ばっかりだもの。公爵と詐欺師ローズのロマンスは添え物って感じ。 2018/04/06
choco
17
泣けます。電車の中で泣いてしまいました。花粉症の振りして。ヒロイン、ローズの弟ハリーが泣かせてくれる。重度の障害を持って生きていますが発症まではかわいい男の子だったようで、ローズはその責任を一手に引き受け愛し抜きます。放蕩者アヴェンデールもネチネチと付きまといながら良い人ぶりを発揮。事情が事情で明かせないローズ、疑うアヴェンデール。仕方ないでしょう。愛情、友情、親子愛に兄弟愛、色々な形の愛を盛り込んだ作品です。2018/03/19