日本経済新聞出版<br> 円安待望論の罠

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日本経済新聞出版
円安待望論の罠

  • 著者名:野口悠紀雄【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 日経BP(2017/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532356842

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内容説明

◆ここ数年の日本経済は、為替レートの変動で大きな影響を受けた。というよりも、経済の主要な動きは、ほぼ為替レートで説明できるものであった。為替レートはそれほど重要なものだが、そのメカニズムについては、正確に理解されていない点が多い。
◆2012年秋以降円安が進み、株価が上昇して、経済のムードが大きく変わった。このため、円安が日本経済を活性化させていると考えられることが多い。しかし、円安は物価上昇、実質賃金低下、実質消費支出の低下など、望ましくない効果をもたらしている。
◆為替レートとは通貨の価値であり、円レートは日本の経済活動の価値である。だから、円安とは日本人の経済活動の価値が低く評価されることを意味する。それが良いはずがないことは、冷静に考えれば分かるはずだ。それが容易に分からないのが、「罠」の恐ろしいところである。
◆為替レートについていかに深い知識を得ても、それを利用して為替取引で継続的に利益を得ることはできない。それは、市場が効率的に働くために、利用可能な情報は、すでに市場価格に反映されてしまっているからである。
◆しかし、為替レートについて知ることによって、さまざまな経済の変化を、よりよく、より深く理解できるようになる。為替レートは、あらゆる経済変数に大きな影響を与えるもっとも基礎的な変数の一つだからである。為替レートを理解するか否かで、経済に関する理解はまったく異なるものとなる。
◆本書は、円安に依存することの誤りを明らかにし、為替レートと経済との関係について、基礎的な概念や理論、歴史を交えて解説する。さらに、アメリカの金融正常化後の世界についても展望する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかつ

1
円安の影響を分解し、製造業大企業しかメリットを享受しておらず、中小企業や国民(製造業大企業の従業員含む)にとってはデメリットであることをロジカルに解説。中盤は為替レートに関する教科書的説明。ユーロを「歴史的大失敗」と評価しているが、制度的欠陥がよく分かる。米の金融正常化により投機の時代は終了。日米金利差拡大による円安圧力と、リスクオフ現象による円高圧力の綱引きとなるが、足元はリスクオンの状況に入っていると言える。2016/12/11

MIRACLE

0
為替レートをとおして、日本経済の動向について論じた本。円安は輸出数量の増加で、日本の実体経済を改善する、という仮説は誤りであること。円安による企業利益の増加は、労働者の実質賃金下落に由来すること。円安は日本の経済活動の衰退という認識が直感的にわかりにくく、とくに、議会や政府では共有されておらず、むしろ、円安方向への圧力をかけていること。本書の後半は退屈な内容だった。2016/07/30

Kenji Ogawa

0
投機の10年間が終ったというが。2016/03/27

トシヒーロー

0
円安が日本にとってどう影響するのか?本当にアベノミクスが成功して景気が良くなったのか?為替により日経平均が上がったが、我々の生活に変化があまり無いように感じていたが、本書を読んで、そういう仕組みなのかと、納得できる部分があった。2020/02/13

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