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内容説明
明治初期、「廃仏毀釈運動」における日本文化財の破却の危機を救った二人の英雄がいた。九鬼隆一と岡倉天心である。二人は全国の主だった寺社仏閣を調査し、保護するべき文化財を実態把握した。その上で、文化財保護の基本法となる古社寺保存法を明治30年(1897年)に制定する。二人はまさに日本文化の荒廃をすんでのところで救ってくれた救世主であった。しかし、人間には光と影がある。二人には非常な能力とともに強烈な欲望をあわせもっていた。それは出世欲であり、独占欲であり、そして何より強い性欲であった。本書は、日本の美と文化を守った九鬼・岡倉コンビの活躍と、その裏に隠された愛憎渦巻く修羅の世界を描くものである。福沢諭吉、九鬼波津子、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、九鬼周造など、明治という激動の時代を生きた魅力ある人物たちが登場。道徳の教科書に載るような聖人君子伝では味わえない示唆を与えてくれる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
131
九鬼隆一、兵庫県三田出身。あとがきに偉人伝ではないとのこと。まとまった情報が少ないとのこと。最初は福沢諭吉との出会いにはじまり、岡倉天心との交流を踏まえて記述している。文部省に勤務。森有礼ら著名人がたくさんでてくる。明治の歴史の一面を知るのによい。著者は愛知県生まれ、大阪育ち、東京の大学で銀行勤務。 2013/11/28
ふたも
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美術史でよく知られた人物のエピソード+αの部分、つまり著者の想像部分に共感できるかどうかで好き嫌いが出そうだ。2015/05/18
Gen Kato
0
岡倉天心と九鬼波津子、九鬼周造の関係に興味があったので。近代政治史から美術史まで、豪華な顔ぶれが次から次へと登場して、頁を繰る指を止められませんでした。読んでいるうち作者の出身校がじわじわとにじんで来る感じがあったのですが、経歴確かめたら案の定。2014/04/09
matsu0310
0
☆☆初っ端で「単なる伝記物ではなさそう」と期待させられたが…結局,伝記物どまり2009/09/26