内容説明
名阪間をめぐる官設鉄道と関西鉄道の運賃・サービス競争、阪神間で官設鉄道に正面から挑んだ阪神電気鉄道、その阪神と熾烈な抗争を繰り広げた阪神急行電鉄、「地下鉄の父」早川徳次と東京横浜電鉄の総帥・五島慶太との地下鉄争奪戦などなど、史上有名な数々の対決を取り上げ、日本の鉄道の来し方を振り返る。会社の存亡をかけた闘争はまさに「仁義なき闘い」であり、近代産業史の縮図ともいえ、一読巻を措く能わずの面白さがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
11
日本資本主義の黎明期に新規産業である鉄道事業に乗り出した、一筋縄では行かぬ人物の抗争史である。それ故にか知らないが話題のうち過半は関西が舞台となっている。名古屋から大阪に至る関西鉄道(後に国鉄関西本線)が弁当までつけるという値引き合戦。阪神間を国鉄、阪神、阪急が並行して営業する中で、今宮戎の祭り客を呼び込む阪急に対し電気事業者を兼ねる阪神側が夜間照明を止めるような仕打ち。東京の地下鉄の父早川徳次に強盗後藤慶太が強引に銀座線を品川へではなく、田舎場末の渋谷に捻じ曲げてしまう事件。どちらがえげつないだろうか。2021/07/04
どん
2
関東、関西の鉄道会社同士の企業対決を紹介。 昔の起業家達のやり方はえげつない。 こんな人たちが今の日本の政治家だったらどうなっているだろう2016/05/11
ぐってぃー
1
関西本線と阪神間(阪急vs阪神vs官鉄)の話で7割ぐらい占めてて、シンプルにおもしろかった2022/05/05