内容説明
思慮深そうな眼差しに、冷静な物言い。三つ揃いのスーツを着こなして、泰然と構える佇まいは紛れもなく名探偵だ。雰囲気だけは――。鬼鶫探偵社の経理にして相棒の佐々は、彼が謎を解くところを見たことがない。「推理する気はあるのか!?」ヤキモキする佐々を横目に、しかし事件はなぜか鬼鶫の目の前で解決する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
39
高里さんらしい優しい話。近著では執事シリーズが人気ですが、本作の方がらしいと思います。心地よい読後感です。2017/03/22
きょん
14
謎を解かない訳じゃなくて、したり顔で推理を語らないだけで真実は解っていそうな鬼鶫探偵が人間的に器が大きい。彼を一方的に心配してる佐々君も可愛いけど、もう少し探偵を信じてあげればいいのに。2017/02/21
きたさん
11
ミステリとして期待してしまうと少し物足りなさ、消化不良さを感じてしまうかもしれない。しかし高里椎奈という作家の生み出すキャラクターが好きであれば、読み進めていけばいくほど堪らなく愛しくなる作品かと。人の心の機微がとても丁寧に書かれています。2017/04/15
ココノビエガク
7
推理しない格好だけ名探偵の鬼鶫航と、その探偵事務所で経理を担当する佐々のバディもの?情報は拾えても全く推理出来ない鬼鶫を、佐々はダメな探偵と思っているようだか、さてさて、中々の探偵ぶりだと思う。親友であり、幼馴染みでもある佐々にとっては、鬼鶫が見た目通りに探偵として大活躍してくれるのが幸せなんだろうけど、これはこれで良い探偵じゃないか。事件中心の話だが、二人の過去とかも気になる。続編があればいいなぁ。2019/10/27
セイ
7
探偵もので、殺人事件も出てきたりするけれど、でもやわらかであたたかい空気の流れるお話でした。登場人物の性格が良いからですね。深山木薬店とはだいぶ趣きの違う探偵の登場で、どちらも大好きです。2017/09/07