内容説明
姜 尚中さん絶賛のロングセラー新装版!
「三浦さんによる絶妙な現代訳が出て7年近く、
『職業としての学問』は、日本の働き方革命を考える最良の羅針盤になるに違いない。
何のために働くのか、それを知りたい人は読むべし」
巻末に、三浦 展 × 姜 尚中・特別対談を収録!
【著者紹介】三浦展(みうら・あつし)
1958年生まれ。82年、一橋大学社会学部卒業。卒論はマックス・ウェーバーの宗教社会学をベースにした「現代文化の無意味化と無価値化」。同年、株式会社パルコ入社、時代分析雑誌「アクロス」編集長を経て、90年、三菱総合研究所入社。99年、カルチャースタディーズ研究所設立。消費社会、若者の価値観、郊外化、階層格差などを広く分析。著書に『下流社会』『第四の消費』『「家族」と「幸福」の戦後史』『ファスト風土化する日本』『昭和の郊外』『東京は郊外から消えていく!』『働く力』『下流大学が日本を滅ぼす!』『日本若者論』『仕事をしなければ、自分はみつからない。』など多数。
【目次より】
[現代訳]職業としての学問
[特別対談] 姜 尚中×三浦 展
●漱石とウェーバーが心を病んだ理由は同じ?
●なぜマルクスではなくウェーバーなのか
●ウェーバーの死んだすぐあとにヒトラーが出てくる
●仕事とは「雑務」である。「にもかかわらず」
●今、まじめな学生がいちばん浮かばれない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くみ
19
20世紀初めドイツ社会学の権威(らしい)のウェーバーさん。1917年にカフェでの演説で当時のドイツとアメリカの学者の待遇の比較から話は広がります。んーでもあれ?なんかすごく後ろ向き?こう小林秀雄的なものを期待してたのですが。。そして巻末の訳者三浦さんと姜尚中さんとの対談で「この人(ウェーバー)の本読んで鬱になりかけた」「軽い鬱だった時この人の本をすごく読みたかった」とか。。おいおい!!凄い人なんだろうけど、素人が気安く手を出し兼ねる 学者のようでした。禁断の扉の中が気になる方にオススメします。2018/08/05
無識者
9
(感想は岩波の方で)今日、比較的有名な本はいくつか役がでて、訳本を読む際にある程度どういう訳を読むか選べるようになった。ドイツ語の原文はどのようなものかわからないが、この訳では行間をあまり考えずに進めることができるが、読めることと理解することは別なのだろう。2017/06/13
フロム
7
兎に角読み易い。読み易い事の成否はあるだろうが、一度手にとってある程度要点を抑えた上で岩波だのの硬い方チャレンジするのは十分ありだと思う。ただ、文章は平易だが内容はなんと言うかつかみどころのないフワフワとしたもの。当たり前だが難解。サクッとは理解できない。いや単純に俺がバカなせいな気もするが。2017/06/29
もちお
6
安易な予言者を待ちわびるのは危険。白か黒か、はたまたグレーかではっきりと分けられるものばかりではなく、どちらかに傾くことなく、緊張を保ち続けるべし。ただウェーバーが言うことを盲目的に信じるのも、安易な預言者を信じるのと変わらない…むむむ。2021/02/18
しかっくま
3
20世紀初頭の講演録を現代訳した本書。「自分らしさ」「やりがい」など、キーワードを今日の日本の若者に刺さる言葉に訳しており、訳書として全体も概ね読みやすい。内容は、「学問を職業にするとは」という講演ながら、現代的な仕事の意味や生きる上で避けられない問題を扱っており、面白い。学問はそれ自身が描こうとしている世界の価値については、何も言えない。異なる神々(=価値観)の闘争である現代社会においては、人は生き方として覚悟が必要で、もし学問に仕えるのであれば、学問は闘争に踊らされない明晰さ・誠実さを提供する、と。2020/09/05