講談社学術文庫<br> 熊野詣 三山信仰と文化

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講談社学術文庫
熊野詣 三山信仰と文化

  • 著者名:五来重【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 特価 ¥577(本体¥525)
  • 講談社(2017/03発売)
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  • ISBN:9784061596856

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内容説明

院政期の上皇が、鎌倉時代の武士が、そして名もなき多くの民衆が、救済を求めて歩いた「死の国」熊野。記紀神話と仏教説話、修験思想の融合が織りなす謎と幻想に満ちた聖なる空間は、日本人の思想とこころの源流にほかならない。仏教民俗学の巨人が熊野三山を踏査し、豊かな自然に育まれた信仰と文化の全貌を活写した歴史的名著が、待望の文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

20
険しい熊野路を歩くのはたいへんな苦行だ。そこではよく、亡くなった知人に会うというが、熊野は生者、死者を超えて人と人が関わる地である。古くから入水や焼身が行われ、また烏を死者の霊、祖霊、やがては神霊と見なした信仰が、熊野を死と再生の地に育てたのだろう。この地で熊野権現と出会った一遍上人は全国を遊行し、その後、時宗聖によって、照手姫が癩病の小栗判官を助ける伝説が広まった。苦しむ者や病める者がこの地に集まり始めると、彼らを助けることを己の救いや生業とする者も現れた。熊野というネットワークから学ぶべきことは多い。2013/06/23

ムカルナス

11
熊野の信仰について四半世紀研究してきた著者による手引書。熊野の信仰はイザナギ、イザナミの神話から始まり修験道や浄土信仰が重層的に積み重なる。八咫烏や上皇の熊野詣、補陀落渡海、平家物語に登場する湛増は聞きかじってはいたが、一遍上人の時宗との関わりや小栗判官の話は初めて知った。二度読みしても消化仕切れないほどの歴史の奥深さに圧倒された。熊野に行くときは又読み返し、持っていきたいと思うが 1967年発行の本であり、情報が古いのが少し残念。2024/06/01

hide

11
熊野観光のお供に読んだが、地域ネタにとどまらず中世日本の仏教勢力や死生観などにも触れられていて思わぬ収穫だった。著者は仏教民俗学の大家らしく、明治の神仏分離令をきっかけに観光地化の影響もあって消えつつある熊野の文化(もう今日ではほとんど残っていない)を鮮やかに描いている。/湯の峰温泉や小栗判官にまつわる暗い歴史、ハンセン病の話がとくに興味深かった。観光系の説明では一切触れられていなかったので、この本を読まなければそんな背景があるとは夢にも思わなかっただろう。2022/11/17

かみしの

8
中世において隆盛を極め、現代ではほとんど顧みられなくなった熊野信仰についてフィールドワークを元に随筆調で書かれた本書。公的な伊勢と熊野の関係が神仏習合を経て変化したこと、またその変化が伊勢路から難路たる紀伊路への参詣ルートの移行に現れていること、歴史の闇とも言える時宗と癩病と熊野の関係などが、文学や絵を資料としながら語られる。熊野三山の基本的な説明(熊野三所権現など)は体系的には書かれていないので、入門書としては難しい。生と死が出会う場所、伊勢・熊野へ一度は足を運んでみたい。2013/08/03

イツシノコヲリ

6
那智大社を訪問することになったため購入した。熊野について分かったようでよく分からなかった。死者の国としての熊野が提示されていたが、難しかった。2022/08/14

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