内容説明
《V2ウェア》の普及により、どこでもVR空間にダイブできる時代。現実でも仮想空間でも存在しないかのように扱われる、樫尾ナジムの孤独な日常は、クラス一の才媛かつアングラな辣腕ハッカー・高嶺レンが彼を認識したことで、波乱の一日へと収斂する。生物型ウイルス《ゼノ》の襲撃、銃弾飛び交うテロリズム――ナジムの《V2ウェア》に隠された“機密”を巡り、現実（リアル）と仮想空間（ヴァーチャル）を跨ぐスリルと興奮のボーイミーツガールが始まる!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたー
14
★★★☆☆いつもの瀬尾さんの作品だなというのが率直な感想。殆どの人類が頭のなかにナノマシンを入れ、それらの量子ネットワークにより、VRとAR技術が普及した近未来。影の薄い主人公が、享楽的なハッカーの少女と出会うことから始まる物語。失踪した兄から託された、特別製のナノマシンと武器を手に正体不明のネットワーク侵略者と戦うというもの。現実と仮想を上手くリンクさせていて、物語世界を破綻なく構築している点は流石、ベテラン作家。ただ、尻上がり的に盛り上がっていくだろうストーリーがキチンと完結するかが問題だ。2017/03/02
ナカショー
10
初瀬尾つかさ作品。脳にナノマシンがありネット空間にダイブすることができる近未来の世界。極端に影の薄い主人公がクラス一の才媛の美少女で実は凄腕ハッカーとの接触によりネット空間と現実空間を交差した問題に直面する話。影が薄いのは実はネットのプログラムによるものでしかもそのプログラムを開発したのが主人公の兄でさらにその兄が超ミステリアスで今後益々盛り上がっていきそうで楽しみです。次巻も楽しみです。2017/03/03
真白優樹
9
人類の大多数が仮想現実に踏み込める近未来、影が薄い少年にハッカーの少女が接触し始まる物語。―――託された力が生むのは波乱、だけどそれでも挑んでいく。この物語が面白いのは、きっと誰もがどんな状況でも負の感情に縛られず、どこか楽しみながら進んでいるからだろう。現実と仮想現実を行き来し巻き込まれた事態に立ち向かう。だけど、現実には幻想が溢れ謎もまた溢れていて。うん、物凄く面白い。型にはまらぬ癖が強い、だがそれ故に目を奪う彼らは今後どんな日常の中で、どんな戦いを繰り広げるのだろうか。 次巻も楽しみである。2017/03/02
nawade
8
★★★☆☆ クラス一の才媛かつ辣腕ハッカーな高嶺レンとの接触を切っ掛けに日常世界が一変した主人公を中心に描くVRクロニクル。あざとい小学生のありすお姉ちゃんが可愛い。最初は地味な主人公であったが、素の部分が現れてくるにつれ、天然さが遺憾なく発揮され、レンとの会話が楽しくなってきた。特にミノムシ状態の時のやりとりがツボ。2017/03/06
みどり
6
打ち切り（作家さん本人によるものも含め）の久々の新刊を手に。終わるといいな、という淡い期待を込めて。発進はまずまず良好、スニーカーにしてはページ数も多かったし、最初に用語解説があって、これが丁寧過ぎないところもよかった。 2017/03/03
