内容説明
異常に傷つきやすい人がいる。何気ない他人の言動に過剰に反応する。だから周囲は困ってしまう。本人だって、わざと傷つこうとしているわけではない。傷つけばつらいし、できることなら傷つきたくない。本書では、数々のベストセラーを輩出してきた心理学博士が、傷つきやすい人の行動の特徴を浮き彫りにしつつ、その背後にある心理メカニズムを解剖していく。自分は傷つきやすいタイプだという人に対しては自己コントロールの方法を、傷つきやすい人物が周囲にいて困っているという人には対処法を、それぞれ提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リキヨシオ
34
「ああ…傷つきやすい自分は困った人間で周りに迷惑をかけているのかぁ~」タイトルだけで勝手に自己嫌悪になる自分にとって身につまされる内容。人間関係に疲れたり、失敗から立ち直れなかったり、他人の顔色を伺ったり、逆切れしてしまったり、プライドを守ろうと必死になったり、傷ついた自分を守る為の反応はそれぞれある。最近は子供を傷つけないように育てる風潮が広がり過保護になった事が逆に些細な事で傷つきやすくなり、SNSから感情を発散して相手の事を傷つき傷つけやすくなったりするなど、傷つきやすい人は今後も増えると思われる。2016/10/26
レモン
33
『他人を引きずりおろすのに必死な人』とも重複している箇所も多く、結局は自分への意識が向き過ぎていることが共通項か。攻撃的な人は逃げる・距離を取るしか対処策がなかったが、傷つきやすい人の場合はネガティブな思考を長所と捉える。悪く言えば深く考えないポジティブ思考タイプより正確に物事を評価することができるという。周りに傷つきやすい人は少ないが、そんな捉え方はしていなかったので、ポジティブ=正義と安易に考えず、長所を伸ばしたり目を向ける思考にスイッチしたい。2023/12/01
にゃにゃころ
11
「傷つきやすくて困った人の周りの人」には役に立つだろうけど、私のように「傷つきやすくて困った人」当人には全く役に立たない本。「傷つきやすい心のメカニズム」で、こういう考え方が悪い!!と散々こき下ろされた後、「傷つきやすいあなたへの処方箋」では、そんなこと百も承知で、それが出来ないからしんどいのに、と思えるようなことしか書かれていない。そもそも考え方なんて、簡単に変えられないから悩んでいるわけで... と書いてしまうのも、著者に言わせれば「傷つきやすくて困った人」の典型的な書評なのだろう。思うつぼだ(笑)2021/05/15
カッパ
9
傷つきやすくて困った人あるある。そこから精神構造や心理的な分析をまじえて、どんな環境から生まれるかはわかる。傷つきやすくて困った人には良いところもある。日本人の多いタイプであることも重ねてかいておこう。叱らず諭しながらも深いりしないが良さそうだ。あとは本人の成長を待てば良さそうである。2023/07/10
Humbaba
9
同じ問題に直面しても、それに対してどう動くかは個人によって変わってくる。その判断の中にはとても妥当とは言えないものもある。しかし、それを直接指摘したとしても、素直に受け入れてくれる人は殆どいない。相手がどのような人間なのかを認識してその思考回路を理解すれば対応は少しはやりやすくなる。2016/12/26