内容説明
高校二年生の白石颯太は、祖母のお見舞いの帰りに奇妙な店を見つける。『馥郁堂』と掲げられたそのアロマ雑貨店では、魔女のように美しい店主・成瀬馨瑠が珈琲を淹れていた。店内に入るなり「香りに敏感」だという馨瑠に首筋の匂いを嗅がれ動揺する颯太だったが、彼女に促されて祖母の病状や胸の内を打ち明ける。すると馨瑠は、あるものを持ってきてもらえれば颯太の力になることができるかもしれないと言い出し――。調香師と男子高校生が織りなす、香りにまつわる芳しい六つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
26
アロマ雑貨店・馥郁堂の美しい店主とそこでバイトすることになった男子高校生、「香り」を扱った短編集。匂いだけで色んなことがわかるんだなぁ。ラストシーンがきれいでいい。2019/07/03
なな
14
調香師という職業に興味が湧き、読むキッカケになりました。表紙イラストからわかるように、店主の馨瑠さんが美人すぎて、現実味がなかったですが、口調が男っぽくサバサバした女性だったので、好感が持てました。アロマ雑貨店、近くにあったら行ってみたいです。嗅覚と記憶は密接に関係してるというのには納得です。颯太の大学卒業後が気になるので続編出たら嬉しいな。2019/03/13
伶夜
9
「まぁ、君もいつか時限爆弾のように、胸で爆発する香りを知る時が来るよ」(本文より)2018/12/09
紅羽
7
ちょっと「櫻子さん」のシリーズを思わせるような男子高校生と、学者のような口調の美人調香師さんの物語。人一倍嗅覚に鋭敏な彼女を中心に始まる事件。アロマの蘊蓄も面白かったです。ラストの贈り物の辺りで脳裏に金木犀の香りが甦りました。2017/01/07
cithara
7
もうすっかり定番になった「お店モノ」の一つだと思っていた。私の興味はただ一点、アロマを扱う店だということ。ちょっと変わった女店主や気の弱い年下のアルバイト学生のコンビも珍しくない。店主には他人の首筋の匂いを無遠慮に嗅ぐクセがある、気持ちのよい趣味じゃないなあ… と最初は引き気味に読んでいたのだが、途中から登場人物や懸念事項が増え最後まで読まずにいられなかった。ストーリー上、続編はないようなかんじだが、なんとか作ってもらえると嬉しい。本書では主人公の少年が狂言回し役にすぎないのは非常にもったいない。2016/12/02
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