内容説明
緊張が続く日本と東アジアに、どんな共存のあり方を描くことができるのか。その手掛かりとなるのがアジア主義だ。本書では、満州事変から日中戦争への流れを、欧米協調とアジア主義との相克という外交史的観点から辿りなおす。そこで明らかになるのは、中国との緊張を高めつつ満州国を建設し東亜協同体構想を掲げた当時の日本が、実は対米関係を最重要視していたという意外な事実だ。日本と東アジア、そしてアメリカ──今日まで連なるこの錯綜した関係を解きほぐすために避けては通れないアジア主義の実像に迫る。文庫化に際して、その思想と政策との捩れを問う論考を書き下ろした増補決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田九七
5
1930年代の日本外交におけるアジア主義を論じ、わかりやすく充実した一冊。日本外交においてしばしば出てくる期待と効果のズレが興味深い。謎の天羽声明や、日中戦争の早期収拾への努力を台無しにした「国民政府を相手とせず」とかに驚かされた。30年代、アジア新秩序にアメリカの力をなしにはいけないという出発点からたどり着いた日米親善の外交路線は、現代日本の参考にもなる。東アジアの国際関係は現在氷点下にありながらも、深みのある日中韓関係史を鑑みると、期待できる未来が必ずしもないとは言えない。2022/01/23
ドウ
5
古本屋でタイトルに魅かれ購入。小泉政権期の東北アジアの政治的緊張に対し、1930年代の日本外交史を紐解くことで、緊張緩和をそれとなく勧める本。「全ての可能性を排除しない」ことによって、逆説的に不可逆的に全ての外交的解決が不可能になっていく当時の日本政府が、現代の日本的組織に通じる。関東軍の「暴走」は『タタール人の砂漠』を踏まえると功名心の成せる業かもと少し同情。日本以外のアクターの言動をブラックボックス的に捉えていること、補遺が竹内好の論考の再要約に過ぎないこと、政治-経済関係の論旨が不可解なのが難点。2019/06/26
ara
3
アジア主義の思想に重点をあてているというよりは、 1930年代に日本政府がアジア主義の思想のもと、主に中国にどのように接してきたかを詳細に記している本。 アメリカの力を借りなければ、満州国すら自治できない日本にはすこしスケールが大きすぎる構想だったようだ。2024/06/09
Ahmad Todoroki
1
それなりに面白いし勉強になったのだが、この本を借りたのと同じ地元の小さな小さな図書館にて、南京虐殺写真集を手に取ったあとでは、この手の立派な主張の類は空理空論としか思えない。どれだけ立派なお題目も、非人道行為の前ではなんの説得力も感じられないのだった。残念ながら、所詮インテリのお遊びなのだ。2024/01/23
じろう
1
「アジア主義を問い直す」というタイトルに惹かれて読んだが現状の考察はほとんどなく日中戦争史を違った視点から見直す考察本。その論旨は面白かったが従来の史観からは少し異なると思われる。素人の私にとっては判断つきかねる。2018/02/08
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