内容説明
あなたが心の底で求めていたのは、数学や科学の「知識」ではなく、「知恵」そのものだったのではないか。「理系と文系は、そもそもどこが違うのか?」を入り口に、「論理的思考」の本質や「科学観」の育て方など、あなたの「理数センス」をサイエンス界の名ガイドが徹底的に磨き上げる。AI時代と最先端テクノロジーの捉え方や、研究不正といった科学のウラの顔の疑い方まで、現代を生き抜くための教養を一冊に凝縮。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aloha0307
16
四半世紀より前、初めて飛行機に乗り米国・NewYorkに赴任した時、文系理系の区分けは日本独自のものと分かった(そもそも対応する英単語が無い)。かの地では、例えば数学、文学、音楽、スポーツetc全てに豊かな素養を求められる(Liberal Artsなる用語を初めて知った。いまでこそ一般的です、が)。むりやり二分するのは確かに無理ですね。本書のキモは、自然科学の重視。確かに、宇宙、生命、意識(私ってなに?)の謎は殆ど解明されていないですよね。2017/08/12
ネムル
10
科学を過度に疑うひとも、盲目的に礼賛するひとも、そのどちらもが科学が何かを知ろうとしないひと。論理と情緒のバランスを取るためにこそ、論理的な思考を身につけるべき。文系特有のコンプレックスの打破に繋がるかはわからないが、とりあえず学生時に少しかじった論理学を再勉強したい。2017/03/27
Ryo
9
文系、理系という区分けが日本特有のものであり、哲学からあらゆる勉学が発展した西洋に於いては、その様な区分けはないという事実に驚く。 その為に、西洋では一般教養が重要視され、理系文系の区分けなく勉強する事が尊ばれる。 また、日本人が事前調整に重きを置くのは、「絶対」の存在しない科学への理解が足りない事が大きいなど、文理断絶の弊害を示す。 本自体、文系の人に理系的な思考法を理解して貰おうという前半から、最近の科学の傾向を解く。 前半の部分は高校で文系選択し、理系教育から逃避していた自分には新鮮だった。2017/05/04
hyoshiok
7
図書館本。文系理系という分類そのものが明治以降、日本が欧米に追いつくために作った教育制度からきている独自のものだ。欧米の大学には文系理系という区別はない。日頃、文系理系という分類に違和感を感じていたので、その通りかなと思った。自分にとっては血液型占いを信じるくらいの信ぴょう性しかない(笑)論理的に考える訓練は国語力をちゃんとつけることによって養う。数理の力は文系理系問わず訓練する必要があると思う。2018/06/18
K K
6
やはり竹内薫さんは面白い。文系バカの当方には勉強になることがたくさんある。 ウィトゲンシュタインの、語り得ぬものについては沈黙せねばならない、というのは耳がいたいですね。 ホワイトカラーが仕事を奪われ、AIの持たない肉体を駆使するブルーカラーの方が安泰と言われる現代。同時通訳すらAIで代用出来る今日、本気で生き残るための施策を考えないといけない。やはり文理両道。 疑ってこそ科学。私ももっと勉強して、科学のセンスを身に付けたい。2018/06/11