内容説明
少年は(山に)恋する少女に恋をした。
登山に青春をささげるあまり、恋愛を知らずにいる少女たち。
そんな女の子・乃々星縁に恋をした冬峰冬馬は、高校入学を機に彼女に決死の告白を。
しかし、運悪く「登山が好きだ」と勘違いされ、あげくの果てに登山部の部長に現場を見られて、未知の登山部へと強制入部することに!?
登山部に所属する個性的な先輩たちに振りまわされながらも、登山について学び始める冬馬と縁。
部活の仲間にはなれたものの、恋の進行は鈍行運転。
とはいえ冬馬も縁と共に、次第と登山そのものに惹かれるようになっていく。
「登山部って、普段何をしてるの?」
「登山にジャージが適さない?」
「キャンプの定番、カレーは山頂での食事には向いてない?」
初めての知識や経験の数々。
冬馬は縁と過ごせる一緒の時間が嬉しいだけでなく、いま、ここでしか味わえない、先輩や仲間との青春の良さも感じたりして――。
山に恋するあまり恋愛感性ゼロの山ガールに、果たして冬馬の思いは届くのか!? 青春の坂道を駆け上がる、登山部ラブコメ一合目。
『世界の終わりの世界録』などで活躍中の実力派・細音啓が、青春小説に初挑戦!!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
69
中学の頃から片思いしていた同級生の之々星縁に告白を果たした冬嶺冬馬だが、山をこよなく愛する縁に冬馬も山の事が大好きなのだと勘違いされてしまう。初めて同好の士が出来た事に大喜びする彼女に真実を告げる訳にもいかず、彼女に誘われて登山部に入部する事になり…。縁との仲をからかってくる部長のマリ、おっとり系美人のガブリエッラ、筋肉馬鹿の司馬という濃い面々に囲まれながら登山の心得や新たな縁の魅力に気付いていく冬馬が徐々に登山の世界にのめり込んでいく様子が丁寧で、先輩達が後輩達に託し続けてきた思いが素晴らしかったです。2018/01/17
まりも
58
登山に青春を捧げる少女と、そんな女の子に恋をした少年がひょんなことから登山部に入部し、共に山登りをする青春物語。細音先生といえばファンタジーという印象が強かったけど、こういう青春作品も書ける作家さんなんですね。登山を始める為の準備がページの大半を占め、肝心の登山シーンが少なめだったりラブコメ要素も少ないのは残念だけど、そんな中でも作者さんらしい温もりを感じさせる辺りはさずの。キャラクターに関しては今の所メインよりもサブキャラの方が目立ってる感じかな。山登りと恋の行方が気になるし、次巻も期待してます。2017/02/18
ひめありす@灯れ松明の火
57
ライトノベル作家というよりファンタジー作家と呼んだ方がしっくりとくる細音先生。きれいな言葉で綴られる魔法の呪文も可愛らしいモンスターも出てこないので拍子抜けしてしまいそうですが、これはこれで気持ちの良いお話でした。ご本人も登山部だったのだそうで、その時のきらきらとして楽しい時間の空気がわかります。私自身は登山をしないけれど、周りに結構する人が多いのでなんとなく言っていることも理解できましたし。ここで完結も綺麗でいいと思うのですが、次の宿泊登山も是非読んでみたいです。男の子の登山仲間も次は増えると良いですね2017/03/25
芳樹
35
細音さん=ファンタジーの名手、と思っていたのでこういう作品は新鮮。高校を舞台にした学園青春ものです。登山が好きなヒロイン縁に片思い中の主人公の冬馬が、未知の登山部へ一緒に入部(仮)することから始まる物語でした。一癖も二癖もある先輩たちと一緒に登山の勉強をして、いざ挑むは箱根山の金時山。部活+恋愛=青春という感じでとても良いです。そして自分のことを"ガブ"と呼ぶガブリエッラ先輩がいちいち可愛い。部活ものとしてもラブコメとしてもプロローグの今回で、この先がとても気になるのですが続編は無さそうですね。残念。2021/08/04
ナカショー
34
ベテラン細音先生の登山部が舞台の学園もの。好きな子に告白したつもりが山が好きだと勘違いされ成り行きで登山部に入部することになったけど、個性豊かな先輩たちと一緒にいる内に登山の魅力にハマっていく姿がとても良かったです。恋愛面ではまだまだ先が長そうなので次巻以降も非常に楽しみです。2017/03/20
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