内容説明
教科書の教える世界史は、戦前の西洋史と東洋史をつなげた代物だった――。ならば「モンゴル帝国」から始まり「大日本帝国」へと至る「一つの世界史」とは何か? これが他国ではなく日本のために書かれた世界史だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
58
戦前の東洋史、西洋史を戦後合体して「世界史」と称しているが、それぞれの哲学が異なる二つを合わせただけでは、何かを体感的に学び取るのは困難を極めると、著者はいう。また歪な成り立ちの世界史を超克する唯一の方法が、中央ユーラシアから観た草原史観であるとする。「世界史」を称するためには、単なる各国史の寄せ集めではなく、国と国の関わりから生ずる興亡が書かれるべきというのは大変解り易い。モンゴル帝国から始まる草原史観は、その意味で最も世界史に相応しい内容を備えている。本書は、モンゴル帝国に始まる中央ユーラシアの各国の2025/02/07
まさにい
21
岡田英弘氏の本を読んで、なるほど、確かにモンゴルの視点から世界史を眺める視点は面白いなぁと思った。この本はその延長線上で手に取ったものです。なるほどと思うところと。やはり少数派なので、それなりに思い入れが強いなぁと思ったところがあります。もう少し僕も続けてモンゴルという視点から中国を眺めていくのもいいかなというのが読後の感想。色々な視点から歴史を眺められるようになれるといいなぁ。2017/09/21
tomo
17
☆☆☆ 西洋史でもなく、東洋史でもない。世界史はモンゴルを起点とすると、確かにスッキリすると思う。英・仏・独などのいわゆる現代の大国も16世紀以降生まれた国だし、歴史がないのは当然か。そう考えると1400年以上歴史が続く日本は、世界的に見てもかなり珍しい。むしろ唯一じゃないかな。シナ大陸の歴史、チンギス・ハーンの息子たちの時代以降になると、単語(国名)の羅列が多くなって読みにくくなってしまう。本作は、筆記用具必須ですね。2023/01/18
軍縮地球市民shinshin
16
ご夫君であり、師匠である岡田英弘氏の説を一般向けにわかりやすく示した書。古代から近現代まで、モンゴル史を核とした東西の交流、「世界史」の形成となかなかおもしろい。ただ一般に馴染みのない人名のオンパレードなので、その点は下調べをしておかないと分かりづらいと思う。2017/03/24
shamrock
13
安定の内容。古い歴史観で勉強してたから認識をひっくり返されるのが楽しい。しかしひでえ歴史だな…。そういう時代といえばそうなんだろうが、幸せな人っていたのかな。俺は恵まれてるな。2019/09/12