角川選書<br> 武田氏滅亡

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角川選書
武田氏滅亡

  • 著者名:平山優【著者】
  • 価格 ¥2,464(本体¥2,240)
  • KADOKAWA(2017/02発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784047035881

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内容説明

武田信玄の後継者である勝頼は、天正十年(1582)三月十一日、織田信長・徳川家康・北条氏政の侵攻を受けて滅亡した。戦国の雄・武田氏はなぜ、亡国へと追い込まれていったのか。勝頼個人の「暗愚」な資質に原因を求める見方は、はたして正しいのか――。武田・北条・上杉による甲相越三国和睦構想、上杉謙信没後の後継者をめぐる御館の乱、徳川家康との高天神城攻防戦という長篠敗戦後の転換点を主軸に、史料博捜と最新研究から、詳述されてこなかった勝頼の成果と蹉跌を徹底検証。戦国史研究に新たなる足跡を刻む決定版!

序 章 諏訪勝頼から武田勝頼へ
第一章 長篠合戦への道
第二章 織田・徳川の攻勢と武田勝頼
第三章 甲相越三国和睦構想と甲相同盟
第四章 御館の乱と武田勝頼
第五章 甲相同盟の決裂と武田勝頼
第六章 苦悩する武田勝頼
第七章 武田勝頼と北条氏政の死闘
第八章 斜 陽
第九章 武田氏滅亡
第十章 勝者のふるまい
終 章 残 響

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

57
松浦静山の名言を体現した感のある勝頼。家督の禍根が、もれなく”滅亡”の根源。朝比奈衆の家康軍の深追いや膳城素肌攻めが崩壊の兆候であり、離反が末期症状。象徴が新府城といったところ。歴史のIFを挙げれば、大岡弥七郎、上杉家内紛、里見家内紛、富士川の増水などなど、吉凶どちらに転んでも不思議ではなかった。但し、勝頼も景勝・景虎を手玉に取る調停や北関東戦略など、”瞬間風速”がキラリと光る。しかしながら、信長と氏政の老獪さの前にはつむじ風程度。「死に場所」・・・か。いや~、戦国時代は本当に興味が尽きない。2018/03/06

さすらいの雑魚

50
長篠の大敗から天目山まで武田勝頼の獅子奮迅の7年を詳述する紙版で厚さ3cm超の大作です。敗戦処理と防衛戦略の再編、大胆な同盟外交で信長を牽制しつつ後北条氏を締め上げ関東侵攻は成功。武田家を最大版図とする辣腕を振るい退勢を覆す勢いの勝頼が織田軍の攻勢にあっけなく敗北。著者は武田領国の瓦解の過程を追い戦国大名と国人領主の関係や武田氏と言うより諏訪氏であった勝頼の統制力の限界を示す。武田氏と勝頼の滅亡が近世権力に脱皮した織田家による戦国大名の時代の終焉告げるもので、勝頼は時代の生贄だったと哀れに思う雑魚でした。

スー

27
183質量共に凄い本でした。長篠の敗戦後は西側の対応に追われていたと思っていました。しかし勝頼は武田・上杉・北条の三国同盟を構想していて御館の乱で景勝側についたが結果北条との関係が悪化し三国同盟は霧散してしまった。御館の乱も家督争いというよりも景勝が国衆を押さえ付けた事と上杉家の内部改革に反発したのが原因だったようなので景虎を支援した方が良かったと思うけど景勝が正統な後継者という認識だったのが理由。その後勝頼は佐竹家との関係を深め上州への攻勢を強めて北条家を追い詰めるが上州の調略で味方にした者達へ与える2019/12/28

YONDA

20
長篠の大敗で信玄来の宿将を数多死なせ、武田を滅ぼした勝頼を暗愚の将だと思っていた。しかし、それは違った。長篠以降も勝頼は戦国武将であり続けていた。御館の乱で景虎につかず両者の和睦を促した理由も大いに納得が行く。上野においては北条を追い詰め、武田家の領国を最大にした。駿河では徳川の侵攻を必死で食い止めていた。なぜ武田家は滅びたか。高天神落城などもあるが、平山氏が最後に書いているように、勝頼は諏方勝頼であって武田勝頼になれなかったからではないか。信長によって朝敵にされた勝頼に同情を禁じ得ない。2017/06/28

ソングライン

19
信玄病没から武田氏滅亡までの10年間、武田が直面した北条、上杉との同盟関係、徳川、北条との戦い、そして織田との最終決戦と家臣団の裏切りを、歴史資料を基に、推察や主観を極力省き、描く大著です。大河ドラマ「真田丸」終了後に本書の存在を知り、読み始めたのですが、途中挫折し、今回再度挑戦しました。拡大した領土を引継ぎ、長篠の戦で多くの人材を失った武田勝頼は、その後をいかに生き、戦ったのか、その苦悩を読者は追体験し、何故滅びざるを得なかったかを深く考えることになります。2020/03/21

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