内容説明
吉田松陰が「心の師」と仰いだ男がいた! 松陰は百年前の思想家・山縣大貳の書を読んだとき初めて、それまでの思想を変え、「倒幕」を意識したのだ……。享保十年(1725)、甲斐国に生まれた山縣大貳は、さまざまな学問を身に着け、頭角を現していくが、ある不幸な事件により、甲府勤番与力の職を解かれてしまう。江戸に移り住んだ大貳は、時の権力者・大岡忠光に見込まれて仕えた後、学校を開き、その知識と人柄からたくさんの生徒を集めるようになっていった。しかし、著書『柳子新論』において、四民平等を訴え、「王政復古」「天皇親政」が理想の政治形態だと説き、やがて幕府からその思想を危険視されるようになり……。松陰より百年も前に革命の精神を説き、明治維新の隠れた火付け役となった気骨の思想家の生涯をさわやかに描く、感動の歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
6
幕末の100年前に倒幕、尊王を説いたとされる柳子新論を著し吉田松陰に影響を与えたのが山縣大貳を描いた作品。吉田松陰に関するものには登場するのかも知れませんが、私は全然知らなかった。山県昌景の子孫であり、甲州流軍学を含め他の書物(医術含む)も修めた博覧強記の人物。平民にも授業料を貰わずに教えて門弟三千人。上州小幡藩の内訌と恩知らずの門弟により訴えられ、無実と判断されながらも極刑にされてしまい、誰の得にもならなかった悲劇な事件。明治天皇にも敬われたという。また無名な偉人を知れて嬉しい限り。2023/08/26
Tadasu Nunotani
0
歴史は同時代の人間によっては評価されない。 後世の人間によって評価されるものということを再認識させられます。2014/09/16
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