内容説明
失業中だったぼくが、ふとしたきっかけで働くことになった〈ミスター・ペナンブラの二十四時間書店〉は変わった店だった。まったく繁盛していないのに店名どおり24時間営業で、梯子つきの高い高い棚には、Google検索でもヒットしない謎の本がぎっしり詰まっているのだ。どうやら暗号で書かれているらしいそれらの本の解読に、ぼくは友人たちの力を借りてこっそり挑むが、それは五百年越しの謎を解き明かす旅の始まりだった──すべての本好き、読書好きに贈る冒険と友情、その他もろもろ盛りだくさんの物語。全米図書館協会アレックス賞受賞作。/解説=米光一成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
105
本を愛する者にとって堪らないワードに溢れた作品だが、結果オーライな主人公の他人の信頼に甘えた自己チューな行動にどうにもこうにも腑に落ちない居心地の悪さを感じながら…けれどいつの間にか友人たちに支えられてミッションをクリアしてその先を目指す姿と、ビックデータで解き明かせなかった謎を、それまでに散りばめられた伏線によって、師匠の為に最後のプレゼンテーションで証す場面に共に在る種の達成感を覚えた。含蓄のある不死、ファンタシーに逃げてしまわなかったところがいいね(^v^)v2017/03/26
『よ♪』
74
──ハリポタがググって"賢者の石"をamazonで買う、ようなお伽話── サンフランシスコ、ベイエリアはシリコンバレー。ハッカー、スケーターの育った街。親友はかつてのダンジョンマスター♪ここではヲタクもso cool♪気になるあの娘はグーグラー。真っ赤なチビT。ショートボブ。cuteな顔にNice body♪さえないボクは書店員。どうして本屋が24時間?どうして本屋に秘密がある?おっきなドラマなんて無いけど、ちっちゃな冒険が有る。Happyな体験が有る♪魔法と3Dと友情と。カオスなハイテク・ファンタジー♪2019/08/03
茜
66
読むきっかけとなったのは2017年に某サイトでの献本に外れてしまって、それを最近になって思い出してやっぱり読みたいなぁと思ったからだ。感想を述べるとしたら「素晴らしい」の一語に尽きる。そして面白い。ミスター・ペナンブラの24時間書店には本棚のあちこちに暗号で書かれた謎の本があり、少数の顧客がそれを借りていくのだ。もし、あなたがその謎を知りたいと思うなら、まずは「ペナンブラ氏の24時間書店」に行くことをお勧めする。きっとあなたの満足する答えが見つかると思うから。。。2022/08/21
南雲吾朗
38
500年前からの謎を解き明かしてゆく冒険(?)小説。コンピューターや様々な新しい技術などを使用して謎を解き明かそうと努力するが、結局のところ、人と人の繋がりが一番の武器になる。読んでいてワクワクさせられた。私にとっては非常に面白い本でした。 2018/04/11
みつ
34
「24時間書店」とは何と気を惹く表題、と思いつつ、読み進めるほどによくわからなくなってくる。数百年間未だに読み解けない暗号、電子書籍と紙の本のせめぎ合い、秘密結社、コンピュータによる暗号解読、等々、色々な要素が渾然としつつも自分には「一体」とは思えない。真相は意表をつくものではあったが、そもそも関係者がなぜその謎を解こうと躍起になっているかという肝心なところを読み落としたのかもしれない。中世だけを舞台にしたエーコの『薔薇の名前』の真相に至るまでの流れと比較して、老いた自分には相性が悪かったという他はない。2022/12/25




